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2017/10/23

発想を生み出す空間“UOVO(イタリア語で卵)”誕生!

発想を生み出す空間“UOVO(イタリア語で卵)”誕生!

10月12日(木)に、アイ・キューブ事務所の3階にオープンしたばかりの“Co-Creation Space UOVO”開所式を行いました。当日は、メーカーで商品企画を担当されている企画者、デザイナー、建築士の方々やコンサルタントとして企業を支援されている方々など、各方面でご活躍されている皆さまにお越しいただきました。 企業の課題と“UOVO”開設への想い 取締役の小田より、開会のご挨拶と共に“UOVO”開設への想いを話させていただきました。企業様と仕事をさせて頂く上で、最近、こんな声がよく聞こえてきます。「今の延長線上に未来が見えない」、「ニーズなき消費社会(ニーズを聞いても答えられない)」、「創造的な商品企画でイノベーションを起こしたい」などなど… そんな中、デザインシンキングに代表されるクリエイティブな発想手法を商品企画や開発に生かしていこうとする動きが盛んになってきております。弊社においても、新たなビジネス機会の発見、デザイン思考での新しい商品の企画、生活者起点の発想によるアイデア展開などのプロジェクトが急激に増えつつあります。プロジェクトを推進していくうえで重要なことは「生活者も意識していない本音をみつける」ことです。そのために、生活者のことをよく知るためのデプスインタビューやお宅訪問調査を行い、“どんな暮らしをしているのか”、“どんな人生を送っているのか”など、生活者の暮らしを観察し、そこから発想するようにしています。 “UOVO”では、生活者の観察から見えてきた本音を壁一面のホワイトボードを活用して見える化し、さらに発想を広げていく、深めていくということができます。 「企業の皆様」―「アイ・キューブ」―「生活者」 この場所が企業の皆様と生活者を繋ぐ場所になればと私たちは心から願っています。 「アイ・キューブ」の創業時、ITは急成長している時期でした。しかし、代表の広野は「人間にしか持ちえない知恵と感性を使って社会に感動を与え続ける」という事に拘り続けました。そして今、そこに「インサイトからデザインする」という考え方が加わりました。「企業様ともっとクリエイティブなプロジェクトを行いたい」、「弊社が行っている、マーケティングとデザインの融合を更に進化させたい」という想いから、発想を生み出す場「UOVO(イタリア語で卵)」が生まれました。 デザインの現場から~今求められるクリエイティブとは~ ワイエスデザイン取締役 兼 アイ・キューブ社外取締役の野口 聡 様より、“新規事業開発の現場”をテーマにご講演いただきました。野口様はインハウスデザイン等を経て、現在はメーカー内外を繋ぐ共創デザインテーブルディレクション(メーカー内外のスタッフを繋げて同じテーブルでクリエイティブなディスカッションを行い、ユーザーに伝えたい物語を作り上げていく)に従事しておられます。野口様は仕事をする上で「事業をどうかえていくか」という事を念頭に置かれているとの事。講演では、実際に携われたプロジェクトの中からピックアップした「どういう視点で考えるのか?!」についてお話下さいました。その中で、特に印象に残ったのは、野口様が造花の会社の方より「これまでの安っぽい、つまらない造花から、もっと人の心を豊かにする造花を作りたい」という相談を受け、考えられたのがお花を持ち運ぶ新しいスタイル。 スライド:お花を持ち運ぶ新しいスタイルの写真 大切なのは、“お花を売る”だけではなく「モノを含めた、行為をデザインすること」です。モノを取り巻く環境を変えることによってモノ自体が輝くと実感したエピソードでした。 発想脳になるために 皆様と「発想方法の共有」(日々、していること)をディスカッション形式で行いました。 「アイデアに迷ったら違うことをします。例えば、行ったことがない場所、行ったことないお店、食べたことがないメニューを食べる事で“未知を発見”することができます。」という意見や、「ひたすら動画や写真を撮ってみます。そうする事でキーワードを見つけ“フッとした瞬間に生まれる!”事があるのです。」という行動派の意見。また、「“新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせ!”4つのステップを踏む。リラックスして過ごしヒラメキを待ちます。」という準備をして待つ派の他に、行動しながら手応えを感じ進む派など、異なる素晴らしいご意見を聞かせて頂き、皆さまとても熱心にメモを取る姿も見られました。 懇親会~業界や立場を超えて、楽しく話そう~ ここからは、会場もセミナー形式からパーティー形式にスタイルチェンジ!お料理は、関西のインフルエンサー(インスタグラムにてフォロワー数が多く影響のある人)に今話題のお届けリストランテさんにお願いしました。会場のお客様も「インスタ映え!」とお喜び頂き写真を沢山撮っておられました。 そして、乾杯はアイ・キューブの成長をいつも近くで見守りいただき、広報活動をお手伝いいただいている「マーケティングPRプロデューサーの西山 裕子様」がご発声くださいました。 西山様は、P&Gのマーケティングをご経験され、現在は様々な企業のPR支援をされています。また、関西で広報を担当する150社以上の企業・団体の、研究会事務局もされています。 さて、会がはじまると業界や立場を超えて、いたるところで会話が盛り上がりました。 当日、クリエイティブ室の稲垣がホワイトボードに記したものを眺めながらディスカッションしつつ交流をしている方もおられ、リラックスしてお過ごしいただいた懇親会中に“金の卵”が生まれていたかもしれません。 夕方に、東京で会議が終わり急いで飛行機に乗り懇親会に駆けつけて下さった方や、実は飛行機の事情によりアメリカ視察からの帰国が遅れ、参加が会の途中となってしまった広野が登場すると、どなた様も文句を言われることなく「お帰りなさ~い!!え?!すっぴんですか?!」と歓迎する声や、笑いに変えて下さる様子を目の当たりにした、皆様の優しさに心温まり、心からこの御縁に感謝の気持ちでいっぱいになりました。 広野到着で、改めて乾杯をしたときの一枚 お越しいただきました皆様、本当にありがとうございます。心より、御礼申し上げます。 さて、長文になってしまいましたが、お読み頂きありがとうございました。この開所式の少し前に 、社内メンバーで“UOVOの価値の共有”をしようとUOVOにてディスカッションを行いました。私の感想は、「全体を俯瞰してディスカッション出来る最大の魅力を体感し」鳥肌が立ちました。この部屋いっぱいのホワイトボードを使うと最初と最後の話した事“実は繋がっていた”。」という事があったり、「こんな事、今のディスカッションには関係ないし、発言は控えよう。」という事もボードに記しておくと「その時にはピンとこない意見でも後半、実はとても重要なワードだった。」という事に気が付く事があったのです。それらを体感し、アイ・キューブとご縁ある皆さまに “UOVO”をご体感いただきたいという想いが一層強くなりました。 当日の様子は、プロが作ったコチラの動画をご覧くださいませ。(撮影・編集 ピー・キューブ YURIKO IKEDA) また、「こんな事で相談するのは・・・」、「活用できるかわからないけど、ちょっと、部屋を見てみたい」等など、些細なご相談も受け付けさせていただいておりますので、どうぞお気軽にお問合せくださいませ。

2017/09/06

これからの時代をつくる「経営×デザイン思考」 2017年9月アイ・キューブに新設される新たな場とは?

これからの時代をつくる「経営×デザイン思考」 2017年9月アイ・キューブに新設される新たな場とは?

これから企業に求められる大切なこと 2017年8月29日STRAMD OSAKA(ニュービジネススクール) に第一期生である小田が公開シンポジウムにてパネラーとして参加いたしました。 STRAMD OSAKAとは「経営×デザイン思考+ICT(情報通信技術)」でこれからの時代を作る戦略経営デザイン人材の育成を目指すニュー・ビジネススクールで日本型CI※(コーポレート・アイデンティティ)の第一人者である中西元男氏の主宰によるものです。※CIとは企業の特徴や個性をはっきり提示し、共通したイメージで顧客が認識できるように働きかけること 今回のシンポジウムではSTRAMD で以前から発信されていたモノではなくコトによる価値が重要とされていることに加え現代は ・今までの辞書にない概念で次なる環境(価値)をつくれるか・企業は今までの、物を生産し届けるにプラスし社会のため、文化のために何ができるかが問われている 様々な方のお話をお聞きするなかで共通しているのはやはり上記で企業はますます大きなビジョンをもって新しい創造的なサービス・商品を生み出さなければならない時代になってきているのだと再認識しました。 魅力的なビジョンを掲げ前へ前へ そんな時代の中でアイ・キューブが皆さまのためにできることのひとつとして小田がシンポジウムでもお伝えした ・自社の使命を分かりやすく、魅力的なビジョンイメージとして可視化し、ベクトルをあわせる があります。 そのような思いから弊社では新たな創造の場として2017年9月に現社屋の3Fにクリエイティブな発想を生む場が誕生します。 企業の皆様のイメージをどんどん広げ魅力的なビジョンを可視化できる場としてまた、新たな価値を生み出す場として活用していきたいと思っていますので楽しみにしていただければと思います! 最後に小田がシンポジウムでお伝えした中で特に印象に残ったこと「これからは数字の評価だけに頼るのではなく、人間が本来持っている“感覚的に良いと判断する能力”に着目することで、人が見て感じて幸せになるモノやサービスが生まれてくるのではないかと思っています」 人が人を想う中で生み出されたモノやサービスですばらしい社会をつくっていく そのお手伝いをアイ・キューブは全力で取り組んでいきたいと想っています!

2017/06/06

シンガポールの戦略的な都市計画、マーケット攻略のカギはリアルな実態把握

シンガポールの戦略的な都市計画、マーケット攻略のカギはリアルな実態把握

2017年5月、シンガポールの市場調査を兼ねて、ASEANリクルートの会vol.10@シンガポール (第10回記念大会)に代表の広野と参加いたしました。「ASEANリクルートの会」は、“「まだアジアにない出会い」を提供し、アジアと世界を熱くする”というビジョンを掲げたASEAN+日本で活躍する元リク(リクルートOBOG)の集まりです。 ◆シンガポールの市場調査 世界中からヒト・モノ・カネが集まり、豊かな国へと発展しているシンガポール。なぜ、ここまで急速に成長しているのか、国としてどのような取り組みをしているのかに興味があり、シンガポール在住8年元リクの先輩K氏企画の「シンガポール政府施設視察ツアー」に参加いたしました。集合場所は、マリーナベイ・サンズホテル! ◆2063年まで計画された都市計画 URA(都市再開発庁)を訪問しました。シンガポールの歴史や戦略的な都市計画など、知らなかったことがたくさん! シンガポールをつくったのは、あのラッフルズホテルの名前となっているトーマス・ラッフルさん。なんと19歳の高卒の男の子がシンガポールをつくったとのこと。驚きました! また、国がリーダーシップをとって、2063年までの都市計画プラン(コンセプトプラン)を具体的に描き、推進しているため、実現スピードが速いことも経済発展につながっているんだろう、と感じました。国土面積が狭い(滋賀県の琵琶湖と同じ面積と聞いて、滋賀県出身の私としては親近感を持ちました)ため、土地を最大限に活用するためのアイデアも豊富。例えば、道路の中央分離帯はしっかり仕切られておらず、植木鉢の花が置かれていた。いざというときは、植木鉢を動かして、戦闘機の滑走路としても活用できるようにしているとか。 都市の模型、茶色のビル群はこれから建つビル ◆シンガポールの水不足はウソ!完全自活している理由とは? シンガポールは水がなくマレーシアから買い続けているという情報が日本では報道されていますが、現在は完全自活できる状態になっています。今もマレーシアから水を買ってはいるそうですが、それは完全にお付き合いとのこと。反対にマレーシアが水不足になった時には、シンガポールから供給することもあるほどです。 それではなぜ、完全自活できる状態になったのか。。。 それは「NEWater」というシンガポール独自の水資源確保の仕組みをつくったからです。 その工場も見学してきました。 話を聞いていると、技術の多くは日本企業のもの。旭化成や東レの技術が使われいました。「優れた技術を統合・編集し、新しい価値を生み出す。」まさに、日本企業が目指そうとしていることを、シンガポールはすでにやりきっています。コンセプトがしっかりしている都市・国は強い!そう実感しました。 旭化成の技術 東レの技術 原材料は「100%下水」、そうNEWaterは、下水を浄水処理した水です。素晴らしい仕組みです。モノ作りではなく、コト・仕組みづくりができる都市・国・企業が強いということだと思います。 ◆夜の大懇親会は115名参加!100名の目標を大きく上回り達成! 今回は、第10回の記念大会ということで、過去最大の115名がシンガポールに集結。各国の担当者が、ヨミ表(リクルート流受注管理ツール)を活用し、毎週進捗を共有し、刺激し合っていたとのこと。リクルートのパワーを改めて実感しました。(内訳:シンガポール41名、日本35名、タイ12名、ベトナム9名、マレーシア6名、インドネシア4名、カンボジア3名、ミャンマー2名、その他3名) 会場は、花蝶シンガポールを貸切。 スタート前から、大盛り上がり。開会のあいさつになっても静まらない会場。リクルートパワー炸裂でした。 昔の懐かし話や今のビジネスの話で大盛り上がり。ほとんど初対面の方ばかりでしたが、元リクという共通点でつながっていることのありがたさを実感いたしました。 幹事の皆様、現地視察にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。刺激に満ち溢れた数日になったこと、感謝申し上げます。 次回は9月2日(土)香港で開催!ASEANリクルートの会→アジア・リクルートの会に進化し、まだ、アジアにない、出会いが生まれそうです。 ◆アイ・キューブの海外マーケティングの幅が広がる 今回の出張でASEANでのマーケティング調査は大半が可能となりました。 マクロデータだけで戦略を考え、進出してきた日本企業の多くは失敗し、撤退していった事実があります。人口構成や1人当たりのGDP、スマートフォンの普及率などのマクロデータなど、表面的なデータだけで判断をするのは非常に危険です。「誰に、どのような価値を提供したいのか」ということをリアルに感じることが大切です。リアルな実態を把握する現地視察、お宅訪問調査などは、アイ・キューブにご相談ください。

2017/03/26

成長する若いアジアの国々 ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム訪問記

成長する若いアジアの国々 ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム訪問記

2017年2月、JETRO主催の「メコンサービス産業海外進出支援ミッション」に代表の広野が参加しました。ASEANに進出を考えている企業が、現地の様子や日系企業の動向などを視察するものです。アイ・キューブも最近、海外の消費者調査の依頼が増えており、発展する国々の理解を深めたいと思いました。JETROのカンボジア・ラオス・ベトナム視察の前に、ミャンマーにも足を運び、元リクルートを含め、現地に住む人々にも数多く話を聞きました。リクルート卒業生は、国内外で活躍されている方がたくさんいて、あちこちで助けてもらえるのがありがたいです。 ミャンマーの主婦のご意見は ミャンマーの首都ヤンゴンに8年住む、日本人の主婦のお宅を訪問しました。ご主人はミャンマー人で、アメリカ留学中に知り合われたそうです。すっかりご馳走にもなり、有意義なお話も聞かせて頂きました。大きなおうちに、お子さん3人と義理の両親がお住まいです。さらにお手伝いさんが2人、運転手が2人いるそうです。 「日本製品は良いけれど、高機能・高価格すぎて購入をためらうことも多い。」とのこと。日本ブランドへの信頼性は海外でも聞きますが、いろんな意味で、その国の文化やインフラ状況に合わせたコストパフォーマンスを上げることが重要だと、肌で感じました。 また、東南アジアの国を訪れると家族を大切にする心を感じます。今回も仲の良いご家族の様子を見て、気持ちが洗われました。 日本企業がぶち当たる壁 JETROの視察旅行は、連日、朝から夜10時位まで、スケジュールがビッシリ!「疲れるけど、こんなに充実したプログラムだったのね。」と感謝です。お聞きした話で印象深かったのは、「日本企業は現地の理解が乏しく、良いと思ったことを押しつけがち。」ということ。たとえば、旧正月を田舎で過ごすから休みたいと長期の休暇を申請する従業員に、仕事の状況により調整できないか交渉すると、あっさり辞めてしまうなど。 カンボジアの人は一般に人柄がよく優しいのですが、きつく怒るとすぐ辞めてしまうそうで、日本とは違う対応が必要です。 JETROのプログラムは、現地ならではの情報が盛りだくさん。 日本で売れている高品質のものなら、海外でも売れるだろうと販売代理店まかせにしていてもダメ。その国の生活者の実態を理解し、マーケティングをしっかりするべきと。日本でもアイ・キューブが伝えてきた、「生活者を知る」「背景や真の理由を理解する」必要性が、ここでも言われていました。 カンボジアでは商業省長官と、ラオスでは商工大臣という高官と直に話せました。お二方とも女性で、とてもカッコよかったです。海外に行くと、要職につく女性も多く、そこも日本がこれから強化すべきところだなあと感じます。 カンボジア 商業省長官 ラオス 商工大臣 ラオスの現地系ショッピングモールを訪問 ネオンがきらめくホーチミン ミャンマー、カンボジア、ラオスを回って、最後にベトナムのホーチミンを訪問しました。都会!7年前に初めて訪れましたが、その時の印象と全く違います。若者が多くて、きらびやかで、夜が長いのです。オシャレで勢いがあって、高層ビルが立ち並びます。 ホーチミンでは、イオンや高島屋があり、コンビニエンスストアのファミリーマートやミニストップも店舗を拡大しています。 ベトナムの平均年齢は30.4歳、カンボジアは23.9歳、ラオスは21.9歳です。消費意欲が旺盛で、流行に敏感な若年層に向けたビジネスの展開は大きな可能性がありそうです。 アイ・キューブでは今後、ベトナムに加え、ミャンマー・カンボジア・ラオスでも、お宅訪問調査ほか、各種生活実態調査が可能となります。今回の視察を通じ、多くの知己やネットワークを得ることができました。実りある旅でした。

2017/03/03

生活者と一緒に考える、組み合わせる、新たな価値を創造する。 「心」を動かすマーケティング 大阪商工会議所セミナー

生活者と一緒に考える、組み合わせる、新たな価値を創造する。 「心」を動かすマーケティング 大阪商工会議所セミナー

大阪商工会議所のデザインワークセミナーの講師として、代表の広野郁子が2017年1月25日、2月1日、8日の連続講座を行いました。タイトルは、「課題解決型商品(サービス)開発のための、共創マーケティングとアイデア発想法」。企業の代表者や、企画を担当する方々が集いました。皆さん、新製品やサービスの開発に役立つ発想法を知りたいと期待されています。今回、アイ・キューブの初の試みとして、アイブレインズから主婦の方々をお呼びし、公開グループインタビューを行いました。子育て世代の課題は何かを直に聞き、その後は企業の方々と一緒にグループワークもする企画で、どんな結果になるのか、広野もドキドキの3週間でした。 1日目:セミナー「『心』を動かすマーケティング」 まず広野が、今まで関わってきた仕事の内容やマーケティングに関しての考え方をお話ししました。「マーケティングはデータを扱うけれど、それだけを見ていても新しい発想はなかなか出てきません。上司を説得するのには、データは必要かもしれませんが。モノ余りの現代においては、機能的な価値だけではなく、情緒的価値、感性が重要になってきているのです。 アイ・キューブでは、生活感度の高い主婦に日記を書いてもらったり、お宅に訪問したりワークショップしたり、リアルな実態から提案をしています。いつもは企業一社に対して、その会社が扱う商品に関する消費者インタビューを行っています。これらは、費用も高く、期間も長いものとなります。今回のセミナーは、消費者調査の経験があまりない中小企業の方々にも、生活者の声を聴くというのはどういうことか実感していただく良い機会になると思います。」 公開グループインタビュー「子育て現場の課題とは?」:生活者の声を聴く 次にアイブレインズより、4名の子育て世代の主婦が参加し、グループインタビューが始まりました。アイブレインズには、現在約200名の生活感度の高い主婦が登録しています。最近、コープ神戸の商品開発に関わっていることが産経新聞で紹介されるなど、女性の活躍の例としてメディアにも紹介されました。 まず、最近買って気に入っている、欲しいなと狙っているものを話してもらいました。高級トースターやお掃除ロボットなど、テレビや雑誌で見たり、友だちが良いと言っているものが挙げられました。見た目がかっこよくてインテリアになじむもの、多少高くても長く使えるもの、満足できるものが良いという意見です。炊飯器ならご飯の味の違いがよくわかるので高いものを、ベビーカーなら見栄もあるのでかっこいいものを。自転車は安全を優先してブランドもの、とのことです。特に子どものものは高くても、安心安全を優先する。子どもに何かあったとき後悔するなら、いいものを選びたいということでした。 子どもを持つ主婦の方々より、生活実感のこもったお話がたくさん出ました 「それが欲しいのは、どうしてでしょうか?」と、広野から背景や本音を引き出します 主婦業は、ほめられないので焦ることもあります。仕事をしていると、認めてもらえますが、主婦の仕事は成果が見えにくいし、終わりもありません。理解してわかってほしい、聞いてほしい、一人の自分を認めてほしいとの切実な声も出ました。やりたいこととしては、ゆっくり映画館で映画を観ること、ママ友と美味しいランチを食べること、週に一度のフラダンスを習うこと。非日常の経験をすると、日常も楽しくなるようです。 ワークショップ「ニーズや課題の捉え方」 主婦たちの話を聞きながら、企業の受講生はポストイットに気づいたことを書いていきました。そして彼女たちもグループに交えて、討議しました。各自が気づいたことや引っかかったことを話し合い、4グループそれぞれ課題を発見したようです。 2日目:セミナー「商品・サービス開発におけるマーケティングの極意」 前回に引き続き、広野から新たな価値の次元を見つけることの重要性について、お話ししました。香りが豊富な柔軟剤や、可愛い柄のマスキングテープ。メーカーが考える、従来の製品の使い方とは違った切り口が魅力で、ヒット商品となりました。このような新たな価値を見つけるには、アンテナ力が必要です。会社の中にだけいたら、ダメ。共感力、価値引き出し力、結び付ける力、遊び心が重要となります。消費者を説得するのではなく、共感してもらう、それが大切です。 こどもOSランゲージから「こどもの感性を商品開発に取り入れる! 今回より、大阪府産業デザインセンター主任研究員の川本誓文さんが講師に加わりました。川本さんは、こどもの価値観に基づくアイデア発想法を使い、遊びゴコロある感性価値商品を産み出す、デザインイノベーションを目指しています。WindowsのOS(Operating System)が異なればコンピューターの機能も違います。こどもと大人のOSも別で、こどもは好奇心を持つ一方、利己心や自尊心が高く、おとなは社会性があるものの、既成概念や周囲の目を気にしがちです。そこで、こども特有の思考や行動を取り戻すことで、大人が自由な発想を産み出すことを可能にします。 発想を助けるツールとして、「プレイフル・デザイン・カード」を使いました。このカードは、一つの単語とそれに伴うイメージが、ポジティブとネガティブが表裏で表現されています。たとえば、「囲われ感」と書かれたカードの表には、「適度に包まれる安心。ひんやりとした肌さわり。ほっこりする温もり。」などポジティブな内容。裏には「隠れられる場所に潜む危険。湿った場所が好きなヘビやムカデ。火遊びでのやけど、有毒ガス、火事。」などネガティブな事柄です。カードと、開発テーマとの偶然の出会いを起点に、そこから連想されるイメージを、ふせんに書き留め、模造紙に貼り付けます。自分が良いと思ったアイデアを選び、どこに引かれたのかコメントし、個人の気付きをチームで共有します。 先週行われたグループインタビューから、川本さんは「子育て世代の課題」として6つを選びました。「オシャレ家電」「片付け」「褒められ」「セーフティキッズ」「盛り付け」「脱日常」です。 その「テーマ」と「カード」から連想を膨らませます。そしてGoogleの画像検索を利用して、何か引っかかる画像がないか探すことが来週までの各自の課題となりました。 3日目:グループワークと発表 最終成果物はどんなものに? 最終日となる3回目の講座では、各グループで、それぞれが作ってきた課題を共有しました。グループで話し合うことで、個人の発想に新たなアイデアを追加し、さらにイメージが発展していきました。 「脱日常」をテーマに選んだグループからは、「大人のゆりかご」と「体験型水族館」というアイデアが出ました。「大人のゆりかご」は、子育て世代の親自身が癒されたい、安心したい・甘えたい・包まれたいという気持ちに応えるというものです。別のグループは、「盛りつけ」をテーマとし、「お皿ごと食べられる、のりでできたお皿」というアイデアが出ました。皿洗いの負担を無くしながらも、罪悪感なく、楽しく料理や食事ができるという面白いアイデアです。 今回ユニークだったのは、生活者である主婦の方も一緒に入って話し合ったこと。企業の商品開発の場面では、ヒアリングや調査をすることはあっても、消費者と一緒に考えるということは、なかなかしないものです。会が終わって受講者から感想を聞くと、以下のような声が出ました。「一緒に考えることで、アイデアが膨らみました。」「何か気になることがあったとき、生活者の意見をすぐに確認できるのがとても良かった。」「グループワークで、一人では出てこない発想が出てきてアイデアが広がり良かった。社内ではモニターの意見を聞くグループワークをする機会がほとんどないのでもっと上部の人がこういう話を聞ける場を設けてほしい。」 アイブレインズのメンバーにとっても、非日常の経験でした。自分の生活感覚や、困っていることが企業にとって重要な情報であることは、新鮮な驚きだったようです。 アイ・キューブでも、初の試みでした。生活者と共創する機会を、これからもまた創って行きたいものだと感じました。

2017/02/03

カンボジアの伝統織物を再生する村へ

カンボジアの伝統織物を再生する村へ

素晴らしい旅を経験した。カンボジアの伝統織物を再生するために、一人の日本人が人生をかけてつくった村(IKTT)へ滞在することができた。ゲストハウスはエアコンも網戸もなく、入浴は水浴び、電気も17時から22時までしか使えなかったが、村人たちの暖かな笑顔と人懐っこさが、4日間の滞在を感動的なものにしてくれた。 何もないように見えて、素晴らしいものがたくさんある。村人たちの暮らしに、自然はそっと彩を与えている。美しい花や木の実、何気なくそこに添えられている美しい色が、素晴らしいアクセサリーに見えてくる。 ニワトリはたくさんいるが、卵は食べない。卵で食べるのはもったいない、大きく育ててからみんなで肉を食べる。牛を飼うのは糞を肥料にするため…。彼らなりの知恵がある。明日は、独立記念日。みんなで豚を買った。男たちが豚の毛を剃り、きれいに洗ったら、女たちがバラバラにして分け合う。貴重な豚肉なのに、私たちにも分けてくれた。本当に温かな人たちだ。 黄金の糸をつくる蚕を育て、丁寧に美しい糸へ。絣糸をつくり、素晴らしい技で織り上げる。全てが手作業、全てが天然の素材を使う。自然との共創で唯一無比の芸術品を作り上げていく。でも、それだけではこの村の素晴らしい織物はできないらしい。糸を作り、染め、織る、その傍らにはいつも子どもたちがおり、母の子を思う気持ちが織物に出るらしい。この村の織物は、愛情まで織り込まれていると言われている。本当に素晴らしい作品ばかりだ。 村のあちこちに家族を感じる。それはヒトだけのことではない。鳥も牛も家族と共に暮らしている。よく観察していると、ヒトと動物は同じ行動をしているように見える。最初の写真は、前に大きな鳥と小さな鳥が寄り添うように歩いており、後ろには兄弟が寄り添うように歩いている。親子や兄弟姉妹の愛情とつながりを常に感じる空間だ。 なんといっても、子どもたちに心を洗われた。 足に抱きついてきたり、抱っこをせがんだり、あまりに可愛すぎる!少し大きくなると、積極的に家のことを手伝う。洗濯は子どもがする。小さな子の面倒は大きな子がみる。きちんと叱る。みんな目がきれい。小さな子は森の妖精のように、私に元気をくれた。 絞りで柄をつける染め体験をさせてもらった。村のおばあと子どもたちが、かなり親切にサポートしてくれた。最初の写真の一番左に写っているのは村長の娘さんのプイちゃん、なんと日本語を話せる高校1年生。とても素直でかわいくて、しかも、将来有望な賢女である。本当に素晴らしい村だった。一人の人の信念が、ここまでのものを創りあげることができるなんて…。またこの村の成長を見に行きたいと、心から思う。

2016/10/24

生活者の「心」を動かす商品企画 ~大阪と広島のセミナー~

生活者の「心」を動かす商品企画 ~大阪と広島のセミナー~

9月はいろいろな所で、商品企画についてお話しをする機会をいただきました。多種多様な業界や職種の方々が、これからの商品企画のヒントを得たい、より深く生活者の心理を理解したいと、熱心に耳を傾けてくださいました。その一部、大阪と広島のセミナーをご紹介します。 二日間の大阪セミナー。商品企画の専門家達も、新しい気付きと発見が。 9月9日と16日、3時間ずつ開催された、大阪府産業デザインセンター主催のセミナー。31名の方に受講いただきました。約半分の16名が製造業、そして6名ずつが卸・小売業、サービス業、デザイン業からの参加です。また、教育・学術研究機関の方も3名来られていたのですが、日本の産業にイノベーションを起こせる人材教育を手掛けていらっしゃる大学の准教授もいらして、期待に応えられるかドキドキしました。 所属される企業の規模は様々で、50人から99名までが一番多く10人、次が1000人以上で7名でした。企業の大小にかかわらず、意外にも似た課題を持たれていることがわかりました。現状の商品開発では行き詰まっている、新しいもの、生活者にひびくものを産み出したい、という思いは共通なのですね。 部署は企画開発部門が21名、デザイン部門が7名、研究部門が2名。 受講の動機は「仕事に関連した内容だから」21名、「テーマに興味があって」10名、「仕事に直接必要な内容だから」8名と、今のお仕事に役立てようという強い意欲を感じました。 マーケティングに関しての市場環境の変化をご説明し、「モノから心へ」の流れが顕著になった結果、商品開発を行う上でも、単にモノを作るだけでは売れない、マーケティングも「調べる」「探す」ではなく創造的な活動が必要となってきたという流れを解説しました。 特にこれからの商品企画に必要な力は、「調査」の枠を超えたクリエィティブ力です。下記の5つの力がとても大切だと、私どもは考えています。 アンテナ力: 会社の中にだけいてはダメ。あらゆる方向でのインプット 共感力: 説得しない、共感する 価値引き出し力: 常に「なぜだろう?」を考える 生活者視点を持つ 結び付け力: 一見異なる事象でも本質は同じ 全く違うものと結び付けてみる 遊び心(既成概念破壊力): 現状から出発しない 再定義する 第一日目の講義の後は、ワークショップ。潜在ニーズをお客様から引き出す質問、価値の伝え方など、4回にわたってグループでワークを行っていただきました。特に、最近の生活者トレンドから共通点を見つけていくワークでは、ついつい陥りがちな「つくり手視点」ではなく、「生活者の価値視点」でキーワードを出してもらうように、各テーブルを回りました。 異業種の方と話し合う中で、新鮮な視点に驚き、刺激を受けられる受講生も多かったようです。 1週間後に開催された、2回目のセミナーでは、アイ・キューブ社が関わった様々な事例を紹介し、その裏にある苦労や工夫、生活者のニーズをとらえてヒットを生みだした方法を解説しました。企画開発に関わる者として、日ごろから意識したいことは、人々の持つ心理がどう行動に現れ、それがシーンとなるのか、それぞれを関連付けて把握することです。デジタルが旺盛な昨今ですが、人間は理屈だけでは動かないもの。顧客の「欲しい」を見つけるには、想像力や直感という感覚的な部分から商品開発のヒントを見つける必要があります。 前回のセミナーから、参加者はそれぞれ成果や気付きがあったようでした。そして次のワークショップでは「自分達(の商品)を定義する」ことに取り組んでいただきました。目的をどんどん広げて、上位目的を考え展開するワークでは、新鮮な視点で皆が考えることができました。哺乳瓶のメーカーが過去に一度も考えたことなかったという、哺乳瓶の利用目的や活用方法については、参加者から斬新なアイデアが豊富に出され、会場は大いに盛り上がりました。 広島講演は3時間。企画開発の理論や事例が、熱心に聞かれました。 9月20日には、広島市中小企業支援センターの流通革新研究会からのご依頼で、「ヒット商品企画の舞台裏教えます」というテーマで講演しました。30名ほどの参加者は、会の成り立ちとして卸売業の方が多かったものの、食品メーカー等の参加者もいらっしゃいました。メーカーや小売業の形が進化し、また人口減少に伴う需要減が予測される中、流通革新研究会では業界の新たな戦略を考えておられます。 今回のセミナーは、アイ・キューブ酒場での私のプチセミナーレポートを読んだ研究会の方から、直接連絡があり、講演を依頼されて実現しました。そのように積極的に、新たな知識を求めておられることにも感心しつつ、コツコツと情報発信をしていくと、誰かの目に留まり、新たなご縁を作るのだと実感しました。 講座は、13:30~16:30の間、1回の休憩をはさみはしたものの3時間ぶっ通しで講義を聞いていただくものでした。 ワークショップや話し合いなども無いのに、3時間誰も寝ることもなく、熱心に聞いてくださったのは驚きでした。(昼食後の眠い時間にも関わらず・・・)。 (画像6) 本やネットでは決して得られない、生の体験や企画者としての心得や舞台裏を、熱く(?)語らせていただきました。 変化の激しい現代で、少しでも顧客の心を理解し、新たな価値を創造しようと熱心に勉強される皆さん。大阪や広島と場所は違っても、何かヒントを得て、自らの力にしようとされる気持ちは同じものを感じました。 参加者のご感想(大阪)・商品デザインの発掘で、行き詰まっているところもありましたが、その解決策を教えていただいたので、早速使わせていただきます(製造業 研究部門)・とても良いセミナーでした!企画アイデア出しが楽しくなりそうです。(サービス業 企画開発部門)・コンセプトの作り方を学ぶことができて有意義でした。(教育・学術研究機関 企画開発部門)

2016/09/15

女性リーダーの心に響いたものは

女性リーダーの心に響いたものは

女性リーダーの心に響いたものは 2016年8月26日、関西NEC C&Cシステムユーザー会(NUA)主催の情報交換会「女性活躍推進」で、代表の広野が講演する機会をいただきました。システム会社やソフトウェア会社にお勤めのプログラマーやエンジニア、営業や人事のマネージャーなどを中心に、責任あるお仕事をされている女性リーダー層19名が、ホテル日航大阪に集まって来られました。 今回は、広野自身の仕事への取り組みやキャリアについて講演依頼をいただいたため、「すべての試練に感謝 ~普通の女性の経営物語~」というテーマで、お話しました。 人生の変遷と、その時々の信念 まず、広野の人生を年表にして、影響が大きかった出来事をお見せし、その時の気持ちの状態を矢印にして説明しました。自分から希望したわけではなく、転職をせざるを得なかったこと、作ってきたキャリアを中断しなければならなかったこと、3年毎に新人を経験したこと、会社を経営してからも、いろいろな試練があって今に至ることなどを語りました。 経営者として一番悩むのは人。自社のサービスにどう価値を付けるか、価格を考えるかの苦労。創業時から一緒にがんばった仲間が事故で長期休業したとき、戦力外通告を外部コンサルタントか勧められたが、そんなことはできないと守り、今ではナンバー3として重要な戦力になっていること。生々しい実例もご紹介しました。 「振返ると、その時はピンチに思ったことが、後から考えるとチャンスになっていました。人生のターニングポイントです。自分がやってきた仕事は、営業と技術の橋渡しだったり、企業と消費者の橋渡しだったり。『広野さんは、いろんな人の立場がわかるってことでは?普通の人だから良いのでは?』と言われたことがあります。普通の人ではダメだと長年思っていたけれど、それがあってこそ仕事ができて、人とつながっているのかなと。」 最後にお伝えしたのは、自分の強みを活かし、いろいろな人に支えられてピンチを乗り越えてきたこと。広野の90分の講演に、参加者は熱心に耳を傾けてくださいました。 働くうえで気になる課題は?グループで語り合う 講演の後は、90分のディスカッションの時間が設けられました。 参加者が課題として思っていることを挙げてもらい、グループで話し合いました。会社も業種も様々な、働くリーダー女性から出てきたテーマは下記の3つ。 ・自分の強みと弱みは何か。組織での自分の活かし方は・バックグランドの違うメンバーに、どうモチベーション持ってもらえば良いか・ワークライフバランスとは、どのようにとれば良いのか そして、各グループで話し合った内容を発表。短時間ながら、数々の知恵や工夫が出され、それらをまとめて、全員に共有されました。広野からも、「自分の弱みや問題を公表すると、理解や支援も得やすい」「マーケティングは数字で裏付けるので、意見も感情的にならず聞いてもらいやすい」などのコメントを出しました。また、アイ・キューブ社で研修を受けて、社員全員の思考特性を理解する(エマジェネティクス)ことで、コミュニケーションがしやすくなった例には皆高い興味を持っていました。 3時間の情報交換会は、とても盛り上がり、あっという間に終了です。アンケートは主催者も驚く100%の満足度(大変満足81%、満足19%)となりました。自由回答にも、たくさんの熱いメッセージが寄せられました。一部ご紹介します。 ●講師の広野様のお話しが大変勉強になりました。ご自身の体験、その時に考えられた事、 また学ばれた事を時系列でご紹介下さり、人間関係の大切さ、人間関係を築づく大切さ 、人間力などが、後で必ず何かを起こすということを改めて認識させていただきました。 ●大変わかりやすく、広野さんのパーソナリティーがよくわかるお話しでした。全然「普通」ではないです!スーパーレディと思います! ●講師のお話しが非常に興味深かった。ただ長く働くだけでなく、何か社会の役に立つため に頑張らなければと今更ながらですが思いました。 ●これからは女性が活躍する場がどんどん増えてくるかと思いますが、やはり壁はあると思います。そんな時に今日の話を思い出して頑張りたいと思います。講師の方の今まで歩んでこられた道がすごいと思うと同時に、まだまだ自分は後ろ向きだと感じました。これからは前を見て進んでいきたいと思います。 異業種の方のお話しを聞く機会が少ないので、貴重な経験になりました。座談会も色々な話をできて盛り上がり、時間が足らないぐらいでした。 多くのあたたかな声に、広野も涙、涙。次世代を創る女性リーダー達と考え話し合う、素晴らしい時となりました。

2016/08/24

“元リク”パワーウーマン3人が、社長の悩みに迫る!

“元リク”パワーウーマン3人が、社長の悩みに迫る!

2016年7月15日、雰囲気のある大阪中央公会堂(重要文化財)で、「マーケティング・営業・労務を変えるワンストップセミナー」が開催されました。アイ・キューブ代表の広野郁子が、リクルート時代の同僚で経営者となった2人と一緒に、企画した共同セミナーです。 多くの起業家を輩出している、リクルート。創業者の江副浩正氏は「社員は皆、経営者である。」と言い続け、旧社訓は「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」でした。そのような社風で営業や企画の経験を積み、機会を創り起業をし、他社の経営支援をしている3人の“元リク”女性社長。初企画である「マーケティング」「営業」「人事」をまとめたワンストップセミナーには、経営者や幹部層が多数受講に来られました。 第一部  社員の一人ひとりがマーケッターになるために まずは、企業の商品企画支援を行う、株式会社アイ・キューブの代表、広野郁子からマーケティングセミナーです。リクルート時代の広野は、不動産情報誌の企画営業をしていました。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - マーケティングの定義とは、何でしょうか?いろいろな意見があり、権威とされる方々の見解がありますが、ほぼ共通するのは「市場」や「人間集団」に対する働きかけや活動ということです。マーケティングを活用するには、「人間」を知らなければいけません。何を言えば振り向くのかを考えなければいけません。 私はリクルートに勤めた後、三菱電機というメーカーにもいましたので、その中で働く方の気持ちもわかります。メーカーは、作ったモノが可愛いので、どれだけそのモノが良いかを言いたくなります。モノが主人公です。しかし、そのモノが、どういう良さを消費者にもたらすか、どんな暮らしを生むのか、人を主人公にしなければ消費者には伝わりません。特に男性はスペック重視で考える人が多いのですが、女性は自分が主人公になりたいのです。 掃除機を販売したいとします。その時は掃除機の機能を伝えるより、その掃除機を使ってどのような気分になるのか、どのような良いことがあるか、消費者の頭の中にイメージを作り、静止画を想像させる必要があります。吸引力を強調した掃除機の写真と、きれいになった床で寝転がっている女性の笑顔と、どちらが魅力的でしょうか。 欲しい洋服の色をアンケートで取ったとします。 赤い服が好きという意見が50%あったら、赤い服を創ろうと発想しがちですが、赤が欲しい理由をよく聞くと、「若々しく見られたい。」という深層心理があることも。その場合は、必ずしも赤い服を創るのではなく、若々しく見られる服を提供するほうが、消費者のニーズは満たされるでしょう。 顧客の欲しいは、モノの先にあるシーンから見つけと良いですね。抽象的に表現されるニーズは、生活や使用シーンから定義していきましょう。たとえば以前私どもが関わったお仕事で、手首にまく血圧計の要望を聞くことがありました。そうすると、手首式の血圧計はコンパクトがいいという意見が出るので、できるだけ小さくしようと発想しがちなのですが、よく聞くと、引き出しに入れたり、持ち運びに便利なようにしたいというニーズがあったのです。 消費者の目的、行動、シーンをいつも考えて、想像力や直感という感覚的な部分を研ぎ澄ますこと、観察力を磨くことが大切です。人にたいして関心を深く持ち、トレンドに敏感になり、その本質を考える癖を持つことがマーケティングにおいて重要です。 ふだんの生活の中で、五感をフルに使えば、社員の一人ひとりがマーケッターとなることも可能ですよ。 第二部  トップセールスはいらない!楽しく稼ぐ営業チームの作り方 次は、営業コンサルティングを行う株式会社レッドポイント代表 泊悦子です。泊はリクルート時代、ケイコとマナブの立ち上げや営業をしていました。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 広野さんの話はB-to-Cで、消費者向けの商品作りです。私の場合はB-to-Bで、営業組織をどう作るかという話です。今日いらしている方は、リーダークラスの方だと思いますが、そういう方はだいたいがトップセールスですね。 広野さんが言ったように、良い商品を作ることができたら、売れていいですね。しかし実際は、不完全な商品を売らなければいけないという事もあります。どうすれば、売れるのでしょうか?営業の量と質をアップさせる必要があります。営業は売上数字を背負い、組織にコミットしているものです。しかしうまく動いていないことがあり、そのような組織のために私が入っています。商品の形が無い時から、少しずつ現場で形を作っていきます。 今、時代や環境が変わっています。成果を出すのが難しく、働く人の意識も変化し(例:仕事にやりがいを求めない、出る杭は打たれる、会社や仲間とのつながりが希薄)、情報化や高度化によって仕事そのものから喜びが得られにくい状況です。皆さんの組織は、いかがでしょうか。 さて、成果が出ない営業組織で陥りがちなパターンは3つあります。 1.命令・細かな行動管理 → やらされ感、いわれたとおりにやったという責任転嫁、学習せず応用がきかない 2.結果でしばる → 結果が出ないと辞めてしまう、間違ったプロセスで仕事をする(例:オーバートーク) 3.自主性にまかせる → 自分の好きなことだけやり、成果に結びつかない、低い目標や自分ができているという勘違い 1から3までを、ぐるぐる回るパターンが多く見られます。本人のヤル気が生まれず、プロセスや内容が共有できず、行動が成果(数字)に結びつきにくいのです。そうなると、仕事が楽しくなく、人が育たず、辞めていきます。 では、営業で成果を出すにはどうすればよいでしょうか?3つのヒントをお伝えしましょう。 1.自分たちの「成功パターン」を見つける・つくる(ア)どういうお客さんに売れているのか?(イ)購入や導入にあたってのきっかけや、決め手は何か?(ウ)お客様は商品やサービスをどのように使っているのか? 2.継続して行動する → PDCAを回す 3.一人ひとりが当事者&主役となる 重要なのは意識改革、マイナスではなくプラスに持っていくこと。会議の中で意識を変えていくこと、本音で話し嘘がないことが大切です。敬称は使わず、対等な立場で話し合えると組織はきっと強くなっていくでしょう。 第3部  雇用の多様化に対応!労務の知識を活かした素敵な雇用体制作り 最後は、社会保険労務士の山田扶美子です。リクルートでは、営業や営業企画をしていました。現在は、山田扶美子社会保険労務士事務所の所長として、企業の人事研修や労務指導などを行っています。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 私の講義内容というのは前のお二人と違って、ニコニコ笑って聞けるものではないんですよね。相談に来られる方は、悩んだ顔で困って来られる方々です。昨今、労務問題三大紛争は、1.残業代、2.年次有給休暇、3.解雇 です。辞めてから「残業代をもらっていない」と言ってこられることがあります。 残業代は、必ず払わなければいけません。賞与や退職金を、がんばって払おうとする社長さんが多いのですが、これらは法律で定められているものではないのです。就業規則で決まっていれば別ですが、そうでなければ、そこで頑張っても仕方ないのです。むしろ、日本の法律で決まっている、残業代や年次有給休暇、解雇予告をしっかりするほうが良いのです。争っても負けます。 給与は残業代込みと、口頭で言っているとします。たとえば、27万5千円の給与のうち5万5千円は固定残業手当で、22万円は基本給とします。その場合、22万円÷22日勤務÷8時間×1.25倍×35時間=5万5千円となります。この内訳を雇用契約書等で初めに明示・説明する必要があります。固定残業制と決めれば、35時間の残業がなくても5万5千円を払わなくてはいけません。あまり残業がない会社は、固定残業手当を導入すると損になる場合もあります。固定残業制といっても、40時間働いた場合、オーバーした5時間分の残業代は払わなければいけませんし。 とはいっても、ダラダラ働く社員が残業をする場合、会社に残業申請もなく、それを会社が認識して、「早く帰るように」注意していれば残業代を払う必要がない場合があります。過去に裁判で争って、会社が勝訴したケースがあります。会社が従業員の残業するのを把握していて、早く帰るように注意したことと、残業するような量でなかったことを証明できたからです。残業を防ぎたければ、従業員に残業申請を出してもらって、会社はその従業員の業務量を把握していて、会社が残業を承認した場合において認めるよう、運用していくことが大切です。 また、年次有給休暇は法律で必ず与えなければいけないと決まっています。辞めるときに残った有給休暇も、与える必要があります。よって、有給休暇を取ることを想定した賃金を計画し、社会保険料(賃金総額の約15%)、有給、残業代を考慮して決定しましょう。 有給休暇の計画的付与の方法として、1.下記・年末休暇に組み込む(これらは法律に組み込まれていない)、2.ブリッジホリデー(飛び石連休の時に休んでもらう)、3.アニバーサリーやメモリアル休暇制度、4.閑散期に集中 などがあります。有給休暇は計画的に付与すると、会社全体の業務がスムーズに行き、社員のモチベーションアップにもつながりますよ。 *** 質疑応答の時間では、社員の本音を引き出すにはどうするか、できる社員とできない社員でどう組織を効果的に創るか、効果的な採用についてなど、様々な質問が出ました。それに対し3人がそれぞれの立場や見解から答え、盛り上がりました。また、受講者同士が自社の事例を紹介するなど、活発な交流が生まれました。 消費者に受け入れられる商品企画、それを販売する営業組織作り、人が働く場合の法律や人材確保。まったく分野は違いますが、企業の経営層やリーダー層には、どれも知っておくべき事柄。マーケティングにも営業にも労務管理にも理解を深め、強い会社を作って欲しいと3人は願っております。 *** ●● 参加企業様からの感想(一部ご紹介します)●● 「3時間にわたる時間が、あっという間に感じるほど、みなさまのお話を、楽しく拝聴させていただきました。講師の先生方も、受講者の方々も、刺激に満ちていて、大変、楽しい時間でした。」 「マーケティング、営業と人事労務の組み合わせは新鮮でした。両方を視野に入れないと。そんな声が聞こえてきそうです。」 「お集りの皆様の前向きな姿勢には、驚かされます。貴社のイベントすべてに共通ですね。その姿勢に学ぶことがあまりに多い。興味が尽きないというのが正直な感想です。」 「講演者3名のどなた様も共通してお話が分かりやすく、説得力がありました。ぜひ今後も引き続き3名トリオで講演を企画される事をご提言します。」 3人のパッケージ商品の開発も進行中ですので、また具体的になりましたら、ご紹介しますね。それまでにも、ご興味のある方は、ぜひご連絡下さいませ。(*お問い合せはこちらから )

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