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宝塚歌劇を通して学んだ「自分のモノサシ」

2022/08/23

先日、念願の宝塚歌劇を観劇しに行ってきました。宝塚歌劇は母から「感激するから1度は見たほうが良い!」と幼いころから聞いており、兵庫県への転勤を言われたときには、「不安だな~」というよりも先に「宝塚歌劇のとこですね!」と言ってしまったのを覚えています。転勤して来て早々に広野さんに宝塚歌劇を見てみたいとお話しすると、快く連れて行ってくれました。 華やかな舞台、きれいな歌声、初めて出会うたくさんの魅力に感動を覚えました。しかし今回はそれらの魅力ではなく、歌劇の内容について私自身と重ねて感じたことを書ければと思います。

公演は『巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~』パリで人気を博したピアニスト、フランツ・リスト。本当にしたいことは何なのか、居場所がなくなり逃げ出した。作られた人気ではなく実力を認めさせたい。実力が認められると地位や名誉に気を取られる。支えてくれた人が見えなくなるが、最後には本当にするべきことと本当の愛に気付く…という内容でした。

私自身と重ねると、私が望んでいることは、忙しくても楽しく仕事したいということと、認められたいということ。20周年フォーラムの動画でも「いてよかった、と言われたい」とコメントしました。しっかりみんなの一部になりたい!ありがとうと言われたい!認められたい!しかし、そう言ってもらえる自分かと聞かれると胸を張ることはできません。できることも少ないし。何を求められているのだろう。認められるにはどうしたらいいのだろう「自分」というものがフラフラしているなと気付き、たくさんのモヤモヤが浮かんできました。理想とは遠く、悩みがたくさんあり、その解決策もまだ探している状態です。

アイ・キューブでのマーケティングを通しての気付き
しかしアイ・キューブでの仕事をしているなかで気付いたことがあります。調査の最初の段階で必ず「仮説」を立てます。どんな回答やデータが来るか分からないですが、この「仮説」がモノサシになっていて、データとこのモノサシがどれだけずれているのだろうと分析していきます。最初の段階ではまだ何も分からない調査は、今の何も分からない私と一緒だなと思いました。これまではフラフラしている自分をそのままにしていましたが転勤してきて半年たった今、自分のモノサシで自分を自分で認められるように努めています。

すると次はこうしてみよう、前はモノサシとこれだけズレてたから今回はズレが小さいぞ、よくできた私!と少しずつアイ・キューブでの私を作っていっています。時には少し甘めな評価の時もありますが、誰かに認めてもらおうとしてその反応がうかがえずにモヤモヤしていたのが、自分で自分のモノサシで計ることができるようになってきました。フランツ・リストも最初は観客からの人気・評価に注目していましたが、最後には自分の基準、モノサシで人生を決めていくといった内容でした。 仕事の内容やできることよりも、仕事に取り組む私自身について考えさせられた宝塚歌劇の公演でした。

他人からの評価に一喜一憂していたが、自分のモノサシを持ったことでモヤモヤが無くなった。自分のモノサシがあるとやるべきこと、やってみたいことが見えてくる。(二神奈津実)

転勤してきた時に「宝塚歌劇を1度は見たい!」と目を輝かせていたので「それならば」とマーケッターとしても体験になるし、私としては喜んでもらえたら嬉しいという気持ちだった。このコラムを読んで、ここまで深くストーリーに対して自分なりに考えていたんだと少し驚いた。先日、大学生達と話していても「自分とは何者か」「自分の使命は何か」を見つけようともがいていると感じたが、私達(Hanako世代)が20代の頃って、ここまで「自分軸」について考えただろうか。Z世代の特徴として「ブランドにこだわらず、自分が気に入ったものにお金を使う」ということが言われるが、我々はその逆で、雑誌やメディアが取り上げる(作り上げる)「流行」や「ブランド」を追いかけていた。で、みんなが同じ方向を向いて走っていた。それでよかった。今はネットやSNSが発達し、Z世代たちは私たちの時とは比べ物にならない莫大な情報量の中から「選ぶ」ことをしなければならない。就活などにおいても同様だ。多くの選択肢があるということは幸せな気もするが、その分負担が大きいのではないかと思う。二神がいうように「自分のモノサシ」を持たなければ大きな渦に飲み込まれて自分の居場所を見失ってしまうのかもしれない。私なんて「自分のモノサシ」を持たなければ…と思い至ったのは50歳を前にしてからだった気がする。「自分軸」探しの時期にギャップがあるんだな、なんてことを考えるきっかけになった「宝塚歌劇」だった。私はあの羽根の大きさへの感動感も共有したかったけどね・・・。(広野)

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