PROJECT

クライアント様の課題

「薬の力を借りずに痛みを緩和できる暮らしの実現」という目的の達成に向け、その一歩を踏み出す。

Client
オムロン ヘルスケア株式会社 様
Period
2006年~2007年

全く新しい市場を創る
→ 家庭で治療院のような本格的なケアができる製品の開発で、新たな「ペインマネジメント市場」を創造したい。

超高齢化社会においては、健康寿命の延伸が課題となる一方で、膝や腰、肩、足、関節など、様々な部位のコリや痛みによりQOL(Quality of Life)の低下を余儀なくされる人が増えています。通院治療や鎮痛薬による解決策はあるものの、通院に要する時間や費用、薬の副作用(不安含む)などに不満を持つ人も少なくありません。そこでオムロンヘルスケアは、様々な部位に対して家庭で治療院のような本格的なケアができる電気治療器を開発し、セルフケアで痛みをコントロールできる暮らしの創造を目指しました。しかし、これまでにはなかった「家庭で本格的な治療ができる痛み緩和機器」をどのような製品イメージに仕立てればよいのかのヒントがありません。そこでターゲットを定め、対話をしながら製品のコンセプトや仕様、デザインなどを検討していく共創プロセスを実施したいというご要望がありました。

「薬の力を借りずに痛みを緩和できる暮らしの実現」という目的の達成に向け、その一歩を踏み出す。
「薬の力を借りずに痛みを緩和できる暮らしの実現」という目的の達成に向け、その一歩を踏み出す。

実施内容

定量調査でターゲットを定め、定性調査によりターゲットの理解を深め、ラピッドプロトタイピング(試作品を短時間で製造し、検証を繰り返すこと)で仕様を固めていく。

  • 1幅広い層に向けたアンケート調査によって市場をセグメント化し、未だに未充足ニーズが解決できていない「様々な部位の疼痛やコリに悩む層」を設定。そのセグメントに属する人の特徴や傾向を分析しながらターゲット像を明確にする。
    → 一見、飽和している市場に見えても、全体を俯瞰しセグメンテーションすることで、新たなチャンスに気づけたり、誰に向けて商品づくりをすればよいのか等を検討しやすくなります。
  • 2インタビュー調査により、ターゲットの実態を深く理解すると同時に、初期段階の商品コンセプト仮説、構想デザイン案などを提示し、ターゲットの評価や要望を引き出すことで仮説の精度を高める。
    → 企画者や開発者、デザイナーなどが構想段階のものを提示し、ターゲットとの直接対話を繰り返すことで必要な要件を共有化することができ、社内のベクトルを揃えることに役立ちます。
  • 3ターゲットとの対話や共創会議から得られたことを、具体的な製品仕様や機能、リアルなデザインモデルに反映させ、最終的な受容性調査で製品力評価を実施。
    → 製品自体がターゲットの求めている価値を発信できているか、機能、デザイン、価格設定がターゲットの期待を膨らませ、使ってみたいと思わせることができているかどうかを正確に見極めることが重要です。

結果

「ターゲットと価値を共創しよう」というクライアント様の強い想いのもと、徹底的にターゲットと対話し、ニーズオリエンテッドな開発を支援させていただくことができました。その結果、現在も販売価格を維持しながら売れ続けているロングセラー商品となりました。定量調査で市場を俯瞰し、定性調査でスピーディーに仮説検証を繰り返すという理想的ともいえる開発プロセスの中で、企画者や開発者、デザイナーが、ターゲットの困り事やニーズを深く理解され、社内のベクトルを合わせられたことが一番の成功要因だと強く感じました。

クライアント様のお声

当時の低周波治療器市場はすでに飽和状態とも言える状況であり、売り上げ拡大を実現するためには新たな市場の創造が必要でした。まずは定量調査でターゲットを定めるところから始まり、インタビュー調査でリアルな実態を知り、困り事を理解し、自らもターゲットと同じように治療院に通う体験もしました。新たな市場を創造できたのも、リアルな調査報告と自らの体験で説得力を高め、社内の信頼と協力を得られたことが大きな要因だったと思います。この一連の流れを共にしたのがアイ・キューブさんであり、仲間のように議論を重ねられたことが今でも印象に残っています。

オムロン ヘルスケア株式会社 グローバル商品事業統轄部 ペインマネジメント商品事業部 部長 福田 鑑介 様

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