新しいスタイルの「共創」を体験してみませんか?
2020.7.13
国内実感レポート
2019/05/15
ここ何年か、自分のクローゼットがユニクロ化している。ベーシックな商品が充実し、品質が良い上に、安い。有名デザイナーとのコラボも毎季発表され、ベーシックなアイテムと組み合わせると、「そこそこ流行を取り入れた無難なスタイル」が簡単にできてしまう。昔、「東京の女性は高い買い物をした時に自慢し、関西のおばちゃんは安く買ったら自慢する」というのを聞いたことがあるが、私にもそれに通じるところがある。
ユニクロで買ったコラボアイテムを友人に見せ、「えー!これユニクロ!?私も欲しい!」と言わせて得意になっていた。下着から小物まで1つの店で簡単に揃うと、便利でラクだ。でもラクだと脳みそは省エネモードになり、あまり働かなくなってくる。コーデに悩んだり工夫もしなくなり、だんだん服に興味がなくなってきていた。
そんな時、西宮戦争が勃発した。
3月21日、兵庫県西宮市のららぽーと甲子園にオープンした関西初の「ワークマンプラス 」と、同月29日、西宮ガーデンズに日本第1号店として開店したフランスの大手スポーツブランド「デカトロン」の至近距離の戦いだ。「ワークマンプラス 」は作業着を展開している「ワークマン」がアウトドアウェアに進出したブランド。厨房用に開発された滑りにくい靴が子育てママに大人気だったり、その機能性とセンスの良さがネット上を賑わしている。
ワークマンプラス 店舗
滑りにくいシューズ
対するフランスの「デカトロン」は世界に店舗を展開しているメガスポーツ店。品揃えが豊富で、アウトドアグッズも充実。リーズナブルな価格で機能面も優れ、フランスっぽい綺麗な色使いも注目だ。
デカトロン店舗
デカトロン この日は川合俊一さんとTV収録していた
しかし何と言っても私を最大にワクワクさせたのは、ワークマンがららぽーと甲子園出店時に発表したニュース文面だ。
「デカトロン社を迎え撃つ」
「先手必勝」
「(デカトロンの)包囲網を作る」
「西宮戦争を制する」
「ガチの競合」
ライバル心むき出しの言葉が並ぶ。公式な発表文にこんな言葉を使うなんて面白い会社だ。 近々トレッキングに行く予定だったので、ワークマンプラス を訪ねた。話題の「エアロストレッチクライミングパンツ」を探すと、私の欲しいカーキのSは最後の1点。130%の全方向ストレッチ、UVカット機能、スマホ入れのポケット付き。これで1900円(税込)は安い。ついでにクライミング用の手袋も買った。(980円。税込)
購入したクライミングパンツと手袋
連休中に初心者向けのトレッキングコースに行ってみた。今までGパンで登っていたので比較はできないが、宣伝通り軽くて涼しい。膝の曲げ伸ばしも楽なので、岩登りを楽しく感じた。
岩場を登るところ
そして登る途中、他の人の服装をよく観察している自分に気付いた。(あのTシャツ、ああやって重ねるのか。)(あの派手なパンツ欲しいな。)自分がおしゃれだと感じる服装で登った方が、気分が良いに決まっている。ワークマンがきっかけで、洋服欲が再起動し始めたのを感じた。連休の最後に、高校生の娘とショッピングに行き、娘の好きな店に入った。娘が「これどう?」と見せる服を見て、私の頭に次々浮かんで口元で止めたのは、
ちょっと安っぽくない?
どうやって着るの?
来年は無理よね?
最近は出てこなかった言葉に、自分でも新鮮さを感じる。間もなく私の頭に浮かんだのは、「私だったらどう着るか」。娘が買ったフリンジ付きベストの色違いが欲しくなり、「私も買います」と思い切って若い店員さんに言ったら、ちょっと苦笑いされた。大丈夫、合わせられる。考えろ、考えろ。自分に話しかけた。
録画していた先日のTV番組「ガイアの夜明け」で、「ワークマン」の特集をしていた。画面の副タイトルには「ユニクロ追撃」という言葉が。あの巨人を狙っているのか。
頑張れワークマン。
アパレル業界を揺さぶって、退屈なクローゼットに風穴を開けて欲しい。
norimaki
国内実感ライター
兵庫県在住の主婦。大学卒業後、大手通信会社に勤務。広報部でマスコミ対応、社内TVの製作・キャスター・インタビュアーを務める。夫の転勤で退職後、転勤族として7度引越しを繰り返す。子どもは大学生と高校生の2人。現在の課題は「私はどう生きるか」
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