海外実感レポート

温暖化で変わる、ドイツの四季模様

2018/12/25

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ドイツでは11月に入ると空は灰色の雲で覆われる日が多く、日照時間も短くなります。例えば元旦は、日の出が8時11分、日没が3時59分。1月2日の新学期、小学生たちは真っ暗な中、反射板の縫い付けられたランドセルを背負って登校します。近年は温暖化で年末の寒さがやわらいでいますが、日照のない日は気温が上がらず1日中、朝と変わらない場合もあります。

どんよりとした気温の上がらない寒々しい日でも、一旦家の中に入ると「はあ~、暖かい」と肩の力が一気に抜けます。これは、セントラルヒーティングや床暖房を利用して家全体が暖かくなっているからです。家の中は25℃前後を保っているので、薄着でいても大丈夫です。
様々な暖房の中でも、暖炉は他の暖房器具と比較しても火力が非常に強いため、一気に部屋が暖かくなります。学校や習い事から帰ってきた子どもたちは、家に入るやいなや暖炉に手をかざします。

見た目の美しさもあって、憧れる方は多いのですが、薪の調達という大変な作業が伴います。一般的にはホームセンターなどで購入しますが、大量に必要なこと、重いことに加えて思ったほど安価ではないため、おじいちゃんやお父さんがチェーンソーを持って、森に木を切り(管理人に指定された木を購入)に行く家庭もあります。

一方、夏については、今年はヨーロッパでも酷暑で雨が降らず水不足が起こりました。ドイツをはじめ諸外国では火事が多発し、ギリシャ、ポルトガル、ノルウェー、特にスウェーデンでは大規模な火災によって多数の死者も出てしまいました。森の木の葉は8月頃より色が変わり、今までにない乾燥しきった光景でした。庭の芝生もまっ黄色に枯れてしまい、毎朝晩、水やりのモーター音が方々から響き渡っていました。空気が乾燥していると、建物の中や木陰では過ごしやすくなるものです。しかし、一般家庭にエアコンがほぼ付いていない中で30℃を超える日が数週間も続いたことで、暑さに弱いドイツ人とは「今日も暑いわねえ・・・」といった挨拶を何度も交わしました。

写真は近湖:子供たちは夏休みになるとプールへ通い、森の中にある湖も解放している場所があり、
ゴムボートを浮かべたり水泳を楽しみます。付き添いの親は木陰で本を読んだりおしゃべりをしながら
過ごすということも珍しくありません。大人も仕事帰りに寄り、閉場の8時まで(夏は10時くらい
まで明るいので)湖のほとりでビールを飲みながら涼みます。

とは言え、30℃を超える日が何週間も続くことは滅多になく、湿度が低いということもあってか、私の周りでは暑さ対策にエアコンを購入した家庭はありませんでした。取り付けなど工事の人件費が高いことや、エネルギー消費についても考慮されているかもしれません。最近、新しく新築している家にはエアコンが付いているところも見かけますが、暑さを我慢できない私の友人は、細長い縦型のオシャレな送風機を購入していました。また、スーパーでも、普段はオープンになっている冷蔵品置き場が、扉付きの棚に変わったところが増えているなど、変化も見られました。

深刻な問題といえば、秋になってもドイツではライン川の水位が低く、河口のロッテルダム(オランダ)から上って来るタンカーが通れず、ガソリン代が高騰。ガソリンが買えない場所も出てきています。こちらでは、秋になるとキノコ狩りに森へ出かけるのが楽しみのひとつです。しかし、今年は森の乾燥により収穫したかったキノコ(ポルチーニ)は全く生えていませんでした。季節が変わっても、色んなところで猛暑の影響の大きさが感じられます。


●Kayoko Melcher●
1998年にドイツ人の夫と結婚。現在夫、子ども4人とフランクフルト郊外に暮らす。2013年より養蜂を始め、2018年度ヘッセン州コンテスト1位の蜂蜜を輩出。環境改善や人とはちみつとミツバチの関わりあいを楽しく学ぶワークショップを開催中。https://www.facebook.com/melcherhonig/