海外実感レポート

フランス国際見本市

2018/03/26

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年2回1月と9月にインテリアとライフスタイルの国際見本市メゾン・エ・オブジェがフランス・パリ郊外で5日間開催される。別名「インテリアのパリコレ」と言われているこの見本市は、会場面積、出展社数、来場客数においてヨーロッパ最大級、まさにパリコレ並みの華やかさを誇る。私はここ数年1月の見本市で、日本出展社の通訳アシスタントのお仕事をさせて頂いていて、インテリア好きの私にとって、年一度の楽しみなイベントなのだ。

先日行われたこの見本市の最終レポートによると、今回は出展社数約3,000ブランド、そのうち海外からの参加率は半分以上を占め、また日本からの出展社数は軽く100社を超える過去最多を記録した。 特に私がいるホールは、最新トレンドや若手クリエーター達のデザイングッズ、インテリア家具などが集められた会場で、今年はそこに配置された日本ブランドのブースが例年以上に多く、とても注目されていた。日本の商品傾向としては、デザイン性、機能性の高い文房具、職人技術を生かした伝統工芸品、伝統陶器、なるほどアイデアグッズ、エコを意識したナチュラル商品など日本人ならではの発想豊かな、そして丁寧なモノづくりをアピールしたアイテムが特徴だったように思う。

そのような日本の商品に対する海外の人達の反応も、とにかくクオリティが高い、美しい、きめ細やかな技を賞賛し、“日本のモノは良い、安心”というイメージが来場客の間でも定着している印象を受けた。とりわけインテリアデザイナーやクリエーターたちは、 彼らのモノづくりの参考として日本のプロダクトにとても関心を寄せていた。一方、ビジネスの点で見ると、モノは良いが仕入れ価格が高く、欧米のマーケットに合わないと断念していく客もたくさんいる。フランスの場合、物品消費税が20%かかり、その上運送代、関税などのコストを考えると、バイヤーたちは上代価格の目安を仕入れ値の少なくとも3倍で計算している。1,000円のモノを3,000円で売ることになると、もともと消費にシビアなフランス人には割高感がさらに増すというわけだ。

また私が対応した数人の欧州バイヤーたちからは、「日本企業とビジネスをしたいのだけれど、日本は何でも決定までの時間がかかり過ぎて最初の熱意が冷めちゃうのよね 」という興味深いコメントもあった。そういえば大昔日本で仕事をしていた頃、上司、更にその上の上司のハンコがなければ事が進まないことがあったが、今もそういう印象が少しあるようだ。

こういう国際的な場にいると、世界でビジネスチャンスをうまくキャッチするには、潤滑なコミュニケーション力とクイックデシジョン(迅速な決断力)が欠かせないことを肌で感じる。「鉄は熱いうちに打て」ということなのだろう。このような海外の人達の建設的な意見を参考にしながら、ボーダーを乗り越えて、日本のプロダクトがどんどん世界へ飛び立っていって欲しいと思う。


●M.O●
大阪出身。2000年からパリ在住。フランス人の夫、娘2人の4人暮らし。15年間日本とパリで貿易商社に勤めた後、数年前よりフリーランスで通訳、マーケティングの仕事へ転向。同時に長年続けている写真も本格的に始動、今年(2015年)1月パリにて初個展開催。「人に優しい街づくり」を目指すパリ市の発展に注目しながら、暮らしの工夫、異文化体験、最新ニュースなど生活に密着した身近なトピックを楽しくお届けしたいと思います。