海外実感レポート

インスタントが続々登場! 変わるインドの食卓

2017/05/31

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少し前までは、インドで「インスタント食品」と言えば、「マギー」を代表とするインスタント麺でした。ここインドにおいて、インスタント麺は食事としてではなく、おやつ感覚の食べ物です。子どもたちが学校から帰ってきた後や小腹が空いた時等に食されるのが一般的で、私がインドで暮らし始めた9年程前には、すでにおやつ以外の何者でもない感じでした。

最近でこそ味付けのバリエーションが少し出てきましたが、「マサラ味」がほとんど。鍋にお湯を沸かして乾麺とマサラパウダーを入れ混ぜるだけでさっとでき上がります。子どもから大人まで大人気ですが、どうしても「食事」としては扱われません。

ところが、ここのところ、食事としても立派な格のあるインスタント食品や加工食品が一気に増えてきました。インド料理で言えば、水を足して玉ねぎと混ぜ油で揚げてつくるパコラ(インドの天ぷら)パウダー、具材と一緒に煮込むだけで本格インドカレーが出来上がるカレーペースト、牛乳と混ぜて煮立てた後冷凍庫で冷やし固めるクルフィ(インドのミルクアイス)パウダー・・・と、前菜、主菜からデザートまで、簡単に、そして本格的な味が楽しめるラインナップが豊富です。

インドのインスタント食品

また、レンジやお湯で温める、レトルトパウチタイプも登場しています。インド料理では定番のダール(豆)カレーやパニール(カッテージチーズ)カレー、中にはカレーのみならず真空パックのごはんがセットになった商品も。メーカーの中には、有名レストランとタイアップを組んで、ホテルのレシピを商品に盛り込み、付加価値を高めているものもあります。「あの有名ホテルでの味をご家庭で」。まるで日本で見た様なキャッチコピーです。

その他、朝食シリーズで人気なのが南インド独特のメニュー。米と豆の粉から作るクレープに似たドーサや、セモリナ粉を原料とした食材でつくるウプマ(クスクスに似ています)、お米のフレークで作るポーハ等、ほとんどオイルを使わず、割とあっさりとした味付けながらも、南インド独特のさわやかなスパイスが効いていて、なんともクセになるおいしさです。

北インドの食事はオイルやスパイス多めに使う傾向が多い中、こういった南インドのメニューは全国的にも人気があります。最近発売されたウプマの新商品は、1回分ずつ小分けにパックされており、マグカップに入れてお湯を注ぐだけで3分後にはおいしい南インドの朝食が食べられる、というもの。これは早くも人気で、近くの商店からは飛ぶように売れていました。

インスタント食品が急速に普及してきたのには、色々な背景がありそうです。一つは、都市部を中心に共働き家庭が増えてきていること。夫婦で朝早くに出勤したり、夕方も帰りが遅かったり。そんな時、さっとおいしいメニューができたらそれは便利です。そして、若い世代の味覚に対する抵抗感のなさもあるでしょう。慣れ親しんだ味だけではなく、新しい味もどんどん試してみる、美味しければまた食べてみよう、そんな柔軟な感覚を持つ消費者が増えています。

中間層以上の家庭では料理のメイドを雇っていることも多いですが、彼女たちが南インドの朝食を作れるか?というと多くの場合そうでもないでしょう。また、メイドが作り置きしてくれた食事を電子レンジで温めて食べる、というのも味気ないものです。食べたい味を食べたい時に。そんな需要が増えているのかもしれません。

有難いのは値段の設定が庶民向けであること。数十ルピー(100円前後)のものが多く、高いものであっても200ルピー(約340円)以下で買い求めやすいのです。そして、大きなスーパーマーケットまで出向かなくても、近所の商店で買い求めることが可能です。これからしばらくは、次々と発売される新商品を試してみる日々が続きそうです。

(Saliha)


Saliha
インドに暮らし始めて8年目。インド人の夫、息子と一緒に暮らしながら平日はオフィスワークをしています。インド人の家族や親戚に巻き込まれながら、インドに密着した毎日です。よりリアルなインドの暮らしをお届けしたいと思っています。

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