国内実感レポート

自立した暮らしに必要なものとは?

2016/11/15

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201611-2最近、スマホで「料理動画」を楽しんでいる。友人がフェイスブックで紹介していた『デリッシュ キッチン』がきっかけ。電車に長く乗っているときなどの気分転換にもってこいだ。『クラシル』や『モグー』、動画配信サイトの『Cチャンネル』やLINEが配信している料理動画を見ることもある。
いずれも、料理のプロセスを真上から撮影したわかりやすい手順で、1分にも満たない短時間で終わる。簡単で見た目はおしゃれ。映像によって直感的に理解させてしまうところがすごい。レンジですぐにできるアイデアが多く、忙しいときのお助けメニューにしている。

ところで、主婦歴60年の私の母は、今年85歳。母の調理方法は、時間がかかる昔ながらのやり方が中心であった・・・と過去形なのは、今やほとんど料理をしない(できない)から。数ヶ月前、久しぶりに訪れた実家の台所では、出し昆布はもちろん、醤油まで姿を消していた。代わりに山積みとなっていたのは、デパ地下のビニール袋と保冷剤。いつの間にか、食事は作るものから買うものへ。「台所に立つのがしんどくなった」。母が料理をしなくなった最大の理由である。

201611-1かつて、テレビや雑誌で売れっ子だった料理研究家の城戸崎愛さん(91歳)は、76歳のときに『もうせん切りイヤになっちゃった!』(集英社)という本を書かれた。料理研究家でさえ、高齢になると今まで通りのやり方がイヤになるわけだから、母がそうなるのも当然だろう。が、さすがは城戸崎先生。キャベツのせん切りはしなくなっても、手でちぎってレンジ加熱して食べておられる。「料理研究家のプライドを捨てれば、もう100点満点を目指す必要はない」と。なるほど!高齢期の料理で大切なのは、自分の常識にとらわれず、できる手段でやることなのだ。

母はパソコンやスマホが使えないが、私経由で新しい情報を知り、温めから少し進化したレンジ調理を始めている。遅きに失した感はあるものの、何も作らないよりはいい。
きちんと作れなくても、ちゃんと食べることは生きるために大切だ。体力・気力ともに落ちてしまう前に、無理のないルールを再構築することが、自立した暮らしにつながる。まずはラクにできる方法を身につけて気持ちのハードルを下げ、それを続けていく流れをつかんでもらえたらな、と考えている。

●デリッシュキッチン https://www.facebook.com/DelishKitchen.tv
●クラシル https://food.kurashiru.com/
●モグー http://mogoo.tv/
●C チャンネル https://www.cchan.tv/clip/list/category/recipe/

(Fusa Imai)


Fusa Imai
大阪市生まれ。フリーランス・ライター&インタビュアー。元・㈱アイ・キューブ社員。現在は、WEBや企業広報誌等に、トレンド解説やシニア向けコラム等を執筆中。「人生後半の幸せな生き方」に興味があり、そのテーマに関わるヒト・モノ・コトにいつもアンテナを立てている。趣味はヨガ、弓道、アート鑑賞。

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