国内実感レポート

大人は、美味しいだけでは物足りない

2016/07/15

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仲良くしているママ友達と、最近はまっているものがある。お酒の「飲み比べ」だ。
私は阪神間(大阪~神戸を結ぶ、酒蔵が多い地域)に住み、お酒と言えば灘の酒。最近訪れたのは、そのうちの酒蔵のひとつ、山中教授のノーベル賞受賞式で供された、「福寿」を作っている酒蔵「酒心館」だ。

 

shushinkan_2蔵の見学のあと、併設の和食レストランで、会席料理をいただきながら、お酒の飲み比べ。「純米」「吟醸」など、言葉の意味も教えていただきながら、舌に神経を集中させる。「大吟醸は、お米を贅沢に削ってあるから、味がすっきりしているね」などと納得しながら味わった。

 

 

その約1ヶ月後、今度はウィスキーの蒸留所に行った。2年前に放映された、NHKの朝ドラ「マッサン」で有名になったサントリーの山崎蒸留所だ。外国人観光客にも大人気。JR山崎駅から歩いて10分の、空気の美しい場所にある。
まずモルトウィスキーの蒸留所見学から始まる。甘い香りのする発酵室から蒸留棟、たくさんの樽が並ぶ貯蔵室を見学する。

suntory_2そして、一番楽しみにしていたのが、山崎を構成している原酒のテイスティングだ。「山崎」そのものと、2種類の樽から出した原酒について、色、香りを確かめたあと、水を加えて味を確かめる。「この樽にしてこの香りあり」がはっきりわかる体験だ。

若い頃と違い、料理や飲み物を、「美味しい」と感じるだけではもう物足りない。自分の舌に蓄積された味と香りを結びつけ、味の根拠を求めたくなる。しかし、それを確信持って言えるほど、私の舌はデジタルでなく、絶対評価は難しい。

suntory_1しかし、比べることによって、それはクリアになる。電気店で、ズラリと並んだテレビを見て初めて、鮮明さの違いがわかるように、「大吟醸は他より雑味が少ない」「この香りはバニラで、これはハチミツ」と言えるようになる。
しかも、専門的な根拠を教えてもらうことによって、味や香りは存在理由を与えられ、脳と舌にしっくり落ち着く。

 

そして存在理由を教えられた味や香りは、「好きになってしまう」。違いがわかることによって、「○○の香りを際立たせたかった」という、制作者の意図が伝わるからだ。例えば、私はウィスキーを「どれも同じようなキツめの香りのお酒」としか思っていなかった。しかし、あの場所で体感した香りの記憶とつながることで、すっかりウィスキー好きになってしまった。

こうやって、より好きになったお酒を求めに店舗に出向くと、「吟醸酒」「純米酒」など、ずらっと並んだラベルの言葉もスッと頭に入り、ついている値段の違いにも納得がいく。店員さんも「これは、大吟醸に負けない味ですよ」などと詳しい話を教えてくれるので、つい何本か購入し、家でも飲み比べをしてしまうありさまだ。

 

kirinもう一人、「比べること」が好きな人が我が家にいる。今、夫が懸命になっているのが、キリンビールの「47都道府県の一番搾りキャンペーン」だ。缶についているシールをハガキに貼って送り、抽選で当たると、47都道府県の風土や郷土ならではの味覚に合わせて作った、47種類の一番搾りがもらえる。「比べ」好きにはたまらない。もし当選したら、「北海道は北海道米を使用か・・・」などと、うんちくを読みながら味わう夫の姿が目に浮かぶ。その日まで我が家の冷蔵庫には、一番搾りが絶えることはないだろう。

 


●norimaki●
兵庫県在住の主婦。大学卒業後、大手通信会社に勤務。広報部でマスコミ対応、社内TVの製作・キャスター・インタビュアーを務める。夫の転勤で退職後、転勤族として7度引越しを繰り返す。子どもは大学生と高校生の2人。現在の課題は「私はどう生きるか」

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