海外実感レポート

エコ意識とアメリカ

2015/07/30

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ところ変われば人の考え方や意識もガラリと変わるアメリカ。いったい同じ国の人たちなの?と、
何かにつけ驚かされます。シカゴに来る前に住んでいたサンフランシスコ近郊(ベイエリア)の人々は、概してリベラル志向で合理的。一方、中西部の人々は大雑把(よく言えばおおらか)で信仰心が強く、保守的、とまるで正反対。とりわけ、エコ意識に関しては両者には大きな違いがあります。

ベイエリアの人たちは環境への意識が高く、町でもハイブリッド・カーをよくに見かけ、
“カー・シェア制度(City Car Share)”も非常にポピュラーでした。
私も当時、車は持たずシェアカーをマイカー代わりに利用していました。
カー・シェア料金(2005~2007年当時)は、年間300ドルの会員登録料(メンバーキャンセル時に全額返還)と、月々10ドルの会員費、1時間4ドル(深夜早朝は半額)の使用料と走行距離1マイル(1.6キロ)あたり44セントのガソリン代のみ。
利用者は必要な時間帯をあらかじめネットで予約しておき、好きなポット(駐車場)に停めてある車をピックアップするだけ。カー・シェアのいいところは、車を所有するストレスがないこと。
駐車場代や保険料、メンテナンス費などのランニングコストが一切かかりません。また、エリア内に
たくさんあるポットから自由に選べるので、たとえば隣の町で借りて返却することも可能。その上、
選べる車種も多種多様なので、たとえばちょっとした買い物にはコンパクトカーを1時間、
晴れた日のドライブにはコンバーチブル、引っ越しにはピックアップトラックを半日借りる、
なんて技も使えるのです。

c6da3f5fb4b241456601bc63fd95a203エコと言えば、スーパーのポリ袋もベイエリアでは現在配布が禁止されており、買い物客は「マイバッグ」を持参するか購入しなければなりません。
しかし、シカゴ界隈ではいまだに山のように使われていて、しかも必ずご丁寧に“2枚重ね”にされてしまいます。(※アメリカでは日本と違い店員が商品を入れてくれます。)
我が家ではエコの観点から、買い物には必ずマイバッグを持参するようにしていますが、南部に住んでいた友人が言うには「テキサスでマイバッグを持って買い物に行ったら周りから変な目で見られた」とか。そればかりか、テキサスでは「幹線道路の脇に大きな穴が掘ってあって、住民が生活ゴミや
使わなくなった電化製品まで何でもかんでも捨てていく」というからびっくり。

こうしたエコ意識の違いには、土地の広さや価格、公共交通機関やごみ処理施設などのインフラ整備、気候の違い、利益を享受する企業の圧力・・・など様々な要素が影響していますが、
もしもアメリカがベイエリアなみの基準で統一されていたら、地球温暖化の進行はもっと早くに防げていたと思うと、なんとも残念な気持ちになります。

(長野 尚子)


●長野 尚子●
イリノイ州シカゴ郊外在住、フリーライター兼編集者、ときどきカメラマン。週末ジャズ・シンガー。剣道家。「人類平和」を究極のテーマとし、音楽、国際文化交流、教育、食、旅などの分野で人脈を広げながら執筆活動中。極上のブルースを求めてひとりでシカゴの夜を徘徊するのが趣味。著書に、アメリカでの「人生棚卸し」の旅3年間を綴った『たのもう、アメリカ。』(近代文芸社)。HP ⇒ http://www.shokochicago.com/

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