海外実感レポート

初めての個展

2015/02/15

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Photo-2年明け始めに、パリで写真の初個展を開催した。仕事をしながらプライベートで写真を学び撮り続けて十何年、いつか形にして自分の作品を発表したいという夢をついに実現することができた。
きっかけは昨年6月。パリ市が運営するいくつかの文化施設が次年度(2014年9月~2015年6月)のアート展示者の公募をしていた。以前から個展をする場所を探していた私はネットでその公示を偶然見つけ、早速作品テーマと説明文、そしてプリント写真を数枚添えて応募してみることにした。そしてその1ヶ月後、めでたく採用通知のメールをもらい、個展開催の切符を手にしたわけなのである。
今回選ばれた展示者は全部で15人。絵画、版画、彫刻、写真などアートのジャンルは様々だ。それぞれに10日間の展示期間が割り当てられ、会場は無料で貸し出される。個展の宣伝、作品の搬入、設置まで全て自分で準備をするのが条件だ。何もかもが初めての試みだった私にとって一番の難関は個展の告知であった。今流行りのフェイスブックなどのSNS系のツールを利用すれば、簡単に拡散出来ることは分かっていたが、あえてこの方法は使わず足を使って自作のフライヤーを配り歩いた。パリではレストランやカフェの店主にお願いして、展覧会のポスターを壁や窓ガラスに貼らしてもらったり、フライヤーを置かせてもらったりという昔ながらの宣伝方法が今でもよく使われている。そういう光景をよく目にしていたせいか、印刷された紙で告知をすることにどこか憧れがあったのだ。実際には結構勇気のいる行動だったのだが、 想像以上に沢山のお店が個展の宣伝に快く協力してくれた。人情溢れるコミュニケーションに心打たれることもあり、忘れられない経験となった。そんな地道な宣伝行脚に加え、今回は主催者であるパリ市と区役所の後ろ盾もあったお陰で、開催期間中はたくさんの方達に観に来て頂いた。
「パリは芸術の街」と言われる所以を肌で感じることが出来た初めての個展。こんな名の知れない自称アーティストにチャンスと協力を差し伸べてくれたパリの街と人々に心から感謝の気持ちを伝えたい。

(M.O)


●M.O●
大阪出身。2000年からパリ在住。フランス人の夫、娘2人の4人暮らし。15年間日本とパリで貿易商社に勤めた後、数年前よりフリーランスで通訳、マーケティングの仕事へ転向。同時に長年続けている写真も本格的に始動、今年(2015年)1月パリにて初個展開催。「人に優しい街づくり」を目指すパリ市の発展に注目しながら、暮らしの工夫、異文化体験、最新ニュースなど生活に密着した身近なトピックを楽しくお届けしたいと思います。