国内実感レポート

「引越し業者」の商いから学んだこと

2015/01/15

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a0001先月、結婚した息子夫婦の引越しの手伝いに行った。引越し業者は大手で、真っ白な靴下をはいた若い男性が4名。手際よく荷物を積み込み、車で20分の新居へと運び込んでくれた。それはそれで当たり前なのだが、「引越し」というものを間近に見るのが、約25年ぶりの私には、びっくりしたことが2つあった。
1つ目。引越し業者は、ただモノの移動や設置をするだけでなく、地震対策や方角と湿度のアドバイスから、何と、家電の販売まで手を広げているのである。共働きで多忙な息子夫婦は、荷物を運び終え暗くなりかけてから、照明がないのに気付く始末。すかさず、自社オリジナルパンフレットの照明器具ページを広げ、「30分後には取り付けます」との営業トーク。勧められた大手メーカー2社のLED照明はどちらも1万円(税別)といかにも買いやすい価格。シンプルなデザインばかりだったが、1社は「油汚れに強いかさ」がウリだったため、迷わずそちらをDKに取り付けるように依頼。ジャストタイミングな「願ったり叶ったり」の商売に感心してしまった。
2つ目。息子夫婦は、お互いにひとり暮らしの期間が長く、結婚したからといって、昔のような「嫁入り道具」として一式揃えたわけではない。それぞれに持っていた家具を適当に組み合わせて、とりあえずは済ませる・・・みたいな感じだったのだが、手持ちの家具にトラブル発生!
息子たちが使っていた某家具チェーンの収納家具やソファは、移動に耐える代物ではなかったのだ。引越し業者からも「この会社の家具は保証できない」と、前もって念を押され、実際に設置してみると、歪みや傷みが激しく、壊れる一歩手前。ドライバー1本で組み立てられるということは、それだけ「ちゃっちい」(粗雑)ということ。見た目はおしゃれな大きなソファは、移動すると床にカビが生えていることも多いそうで、設置時に防湿シートを貼ることを勧められた。さすがにこのサービスは断っていたが、「上手に勧めるなぁ」とまたまた感心。引越し業者は、生活の裏の裏まで入り込む業種ゆえ、顕在化していないニーズを掘り起し、新しいサービスにつなげるのに長けているのである。アッパレ。
生活知識の不十分な若い2人にとって、今回の引越しは大いに勉強になったと思うが、主婦歴約30年の私にも、学ぶところが多々。「暮らし」というものは、本当にじっくりと観察しなければ、新たなモノ・コト作りに結びつかないと実感したのだった。

(Fusa Imai)


Fusa Imai
大阪市生まれ。フリーランス・ライター&インタビュアー。元・㈱アイ・キューブ社員。現在は、WEBや企業広報誌等に、トレンド解説やシニア向けコラム等を執筆中。「人生後半の幸せな生き方」に興味があり、そのテーマに関わるヒト・モノ・コトにいつもアンテナを立てている。趣味はヨガ、弓道、アート鑑賞。

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