海外実感レポート

インドの買い物スタイル

2015/01/15

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キラナインドの都市部にはたくさんのショッピングモールがあります。日本人の私たちにとっても、かなり高いと感じる程の店ばかりが立ち並ぶのですが、インドのお金持ちは家族総出でたくさんのショッピングバッグを両手に抱えモールを後にしていきます。ただ、こんな高級モールで存分に買い物ができる家庭は、実は極わずかで、地元の多くの人たちは手頃な値段で何でも手に入る地元のマーケットや商店を日常的に利用しています。
マーケットにはベーカリーや靴屋さん、服や布地を扱うお店、テーラー、八百屋から文房具店まで、とにかくたくさんの店が立ち並んでおり、毎日夕方になると客で大混雑します。モールに入っている海外ブランドの超高級品と比べると、例えば靴などは10分の1程度の値段で買い求めることができます。もちろんデザインや品質は格段に違いますが、日常的に使うものであればまったく問題のないレベルです。新鮮な野菜や乳製品は、ここでしか手に入りません。
最近はスーパーマーケットや24時間営業のコンビニも見かける様になってきました。どちらも日本の雰囲気とよく似ていて、日用雑貨や食料品が揃っており、カゴに買いたい物を入れて最後にレジで精算する、というシステムです。
ただ、インドにおいて最も人々の生活に近い買い物スポットと言ったら「キラナ」でしょう。キラナとはとても小さな商店で、路上に面した間口はだいたい2~3メートル程。そこには店主が座っていて、利用客は店主に欲しいものを伝えます。すると、奥の壁一面の棚にびっしりと並んだ商品の中から店主が商品の候補をいくつか出してくれるのです。基本的に客は店内に入ることなく、店主とのコミュニケーションで買い物を進めていきます。キラナには洗剤や歯磨き粉、赤ちゃん用の紙オムツ、調味料や電池、文房具やお菓子など、毎日の生活に欠かせないものが揃っており、町の至るところに点在しています。人々は普段着で、時には一日に何度もキラナへと足を運ぶこともあり、インド人の日常に無くてはならない存在です。
このキラナ、見た目はパッとしないかもしれませんが、すごい底力を持っています。インド国内のキラナの店舗数は約1,500万店、日本のコンビニの300倍ともなる規模です。この為、各メーカーは売り上げを伸ばす為にモールでもスーパーでもない、キラナを攻めるべく必死です。また、インドへの進出を果たしたネット通販のアマゾンは、キラナとの新しい取り組みを始めようとしています。それは、届け先の不在による未配達を防ぐ為、キラナを商品の受け取り場所として指定、利用者は自分が都合のよい時間帯に商品を受け取りに行くことができる、というアマゾンにとっても、利用者にとってもメリットのある理想的なサービスです。
スーパーマーケットやショッピングモールが多くなってきた今日でも、変わらずに圧倒的な存在感を見せるキラナ。このスタイルはずっと変わらずに、今後益々多くの機能を持って行くことになるのだろうと思います。

(Saliha)


Saliha
インドに暮らし始めて8年目。インド人の夫、息子と一緒に暮らしながら平日はオフィスワークをしています。インド人の家族や親戚に巻き込まれながら、インドに密着した毎日です。よりリアルなインドの暮らしをお届けしたいと思っています。