マーケティングの気付き

ポートランド コラム03 「好き」をビジネスに! スモールビジネスの現場

2018/09/28

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ポートランド視察で個人的に最も興味があったのが、個人の「好き」をビジネスにして頑張っている“スモールビジネス”のプレーヤー達の現場だ。今回は、ポートランドに在住の小野アムスデン道子さんとレッド・ギレンさんに、スモールビジネスの現場に案内をしていただいた時の様子をレポートする。

まずは、フードカート。

本格的な各国料理が$10ほどで楽しめ、地元住民のランチスポットとして愛されている。同時に、フードカート体験がポートランドの観光資源にもなっている。自分の夢に向かってフードカートから小さくはじめ、今では3軒のレストランを経営するまでになった成功者も出ている。

ランチ時はにぎわうフードカート

かなり美味しかったタイ料理のフードカート。案の定、食べきれない量だった。

次は、ファッションブランドの“Portland GEAR”だ。

ポートランド自体をロゴ化したファッションや雑貨を展開、観光客だけではなく地元住民や地元バスケットボールチームにも好評のショップ。既にスモールビジネスとは言えない世界各国にファンを持つブランドに育っている。創設者のマーカスさんは、現在28歳。高校時代に自宅のガレージで始めた趣味のTシャツづくりが始まり。SNS(Instagram)で地道にファンを広げ、事業拡大に成功。ホンダ自動車のコマーシャルにも登場する若手成功者の代表だ。僕のお客さん(ターゲット)は、みんなInstagramをしている。だから自分も、同じ立ち位置で魅力的な発信ができるようにすごく努力しているとのことだ。常に顧客と同じ場所から発信する姿勢には共感できた。

ブランドロゴ:Portlandの「P」の抜きはオレゴン州の形。

取材に応えてくれるマーカスさん。

ショップは以前クリーニング店だった。その時の設備はそのままディスプレイに。

デザインの質も高く、つい買ってしまうクオリティのモノばかり。マーカスさんも笑顔で対応してくれた。
撮影者は、ご結婚が決まっているマーカスさんの婚約者でした!

キッチンから始めたチョコレートづくりがビジネスとなった“Alma Chocolate”にも訪れた。

「チョコレートをつくるのが好きで、みんなに食べてほしかった」という気持ちから始まったチョコレート店には、いかにも手作りという感じのオリジナルチョコレートが並ぶ。お店のすぐ奥がチョコレート工場になっており、今は小規模で手作りチョコレートをつくっている。「これからもっと大きくしていきたい!」というオーナー。手作りチョコをつくり続けながらも、自分が大好きなチョコレートをもっと多くの人に食べてもらえるように量産も考えたいとのこと。キッチンから始まったチョコレート店は、まだまだ成長していきそうだ。

店内には様々な手作りチョコレートが並ぶ。

むき出しの配管も塗装を施してインテリアにすることで、楽しい雰囲気が演出されている。

「キッチンからスタートしたの」と語るオーナー。

チョコレートに金箔を貼るのも手作業だ。

最後は、新たなコインランドリーを提案するSPINだ。

「コインランドリーを楽しみに来る空間へ」そんなコンセプトが感じられる。店内はゆとりある空間で、ロフトやカフェ、ソファースペースなどがある。空間の色使いやサインデザインもオシャレで、ネガティブな印象は全く感じさせない。忘れ物である色とりどりのソックスは、空間を飾るアイテムに再利用、面白いアイデアだ。コーヒーを飲みながら談話する人たち、ソファーでPCを操作している人たち、まるで自分の家に居ながら洗濯をしている雰囲気を創り出している。「こんなコインランドリーが欲しい!」そんな気持ちがつくったビジネスだ。

発想し、実現し、社長も務めるのは、まだ学生?とも思える女性だ。

ターコイズブルーがテーマカラーとなっている店内は清潔感がある。

カフェやソファースペースは居心地がいい。

忘れ物のソックスは窓を飾るインテリアになっている。

「Keep Portland Weird (ポートランドを風変わりにし続けよう)」というスローガンのもと、個性ある街であり続ける“Portland”

一人ひとりが「好き」と思えることを実現しようとし、周りもそれを認め応援する街。横並びではなく、全く違う個性を持った一人ひとりが“Portland”という一つの強いブランドをつくっているのだと強く感じた。「少し未来の暮らしがある街」と言われるが、話題のAIやIoTなどの技術進化とは全く違う「人間の進むべき方向」が見える街なんだろうと思う。