マーケティングの気付き

マイクロソフトの働き方に学ぶ、イノベーションを起こすための近道

2018/08/30

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2018年7月6日 (金)に京都で開催された、未来予測特別セミナー「働き方改革」に参加しました。日本マイクロソフト株式会社エグゼクティブアドバイザーの小柳津氏の講演は、刺激的でこれからの日本企業が目指すべき姿の1つとだと感じましたので、私の気づきを共有させていただきます。

 

 

 

 

 

政府が本気になっている「働き方改革」、東京オリンピックの成功を見据え

安倍内閣が積極的に推進している「働き方改革」。改革を実感されている人、されていない人とそれぞれおられると思いますが、小柳津さんは、政府の本気度合いを東京で実感されており、気持ちや意気込みだけではないと語られていました。

その背景には、開幕まで2年を切った東京オリンピックを成功させる!という強いコミットメントがあり、行政も本気になって取り組んでいるようです。

取り組みの一例として「テレワーク・デイ」や「時差ビズ」などが紹介されていました。

世界中から東京に大勢の人が集まるイベント期間中に「仕事だけの理由で東京に来るな!」というのがホンネなのかもしれないですね。

働き方改革は、多様な人々が働きやすい職場にすることではない

小柳津さんの話を聞いて、働き方改革の本質は、事業戦略そのものにイノベーションを起こすことだと感じました。決して、育児や介護などをしている人が働きやすい職場にすることではないということです。

出展:日本マイクロソフト小柳津氏の講演資料

日本企業に多いプロセス型の働き方(図の右側)から、プロジェクト型、ネットワーク型の働き方(図の左側)に変えていくことが、働き方改革で大切なこと。マイクロソフトには、プロセス型のように標準化された仕事は社内にはないとのことです。

「それはマイクロソフトで働いている人が、天才や超人が多いからでは?」と思う方もおられるかもしれませんが、小柳津さん曰く「マイクロソフトには凡人しかいない」とおっしゃっていました。「天才や超人がいたら起業しているよ!」とのこと。

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように、凡人もお互いの違いを尊重し、コラボレーションし、創発することで、イノベーションが起こせる可能性が高まるということだと思います。こういったコラボレーションを促進するために、「いつでも、どこでも、誰とでも」仕事ができる環境を作ることを徹底的に考えているということでした。

出展:日本マイクロソフト小柳津氏の講演資料

会社に来ていれば仕事をしているという幻想

日本には、まだまだ「仕事=出勤」という価値観があるため、会社に来ている人が偉いという風になっているところも多いようです。そうであれば、在宅勤務や外での仕事はやりにくくなりますし、会社にいなくてもよいのに、会社にいる人が多くなってしまいます。ますますコラボレーションは生まれなくなり、イノベーションが起こせない、そういった悪循環につながっていきますね。

企業が社員を管理するのには限界があると思います。会社に来ていれば仕事をしているとは限らない(生産性の低い仕事をしているとそれは価値を生んでいない)からです。

生産性(スピーディに付加価値の高い(人間にしかできない)仕事をする)を高め、イノベーションを起こしていくためには、出勤していない方が付加価値の高い仕事をしていると理解し合える、企業と社員との信頼関係が大事になってくるのではないでしょうか。

キーワードは、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」です。

出展:日本マイクロソフト小柳津氏の講演資料

あのindeedも…、働き方改革=自社のビジネスの在り方を改革すること

「♪仕事探しはインディード♪」のCMで有名なindeed Japanの代表取締役、高橋信太郎氏のお話を聞く機会があったのですが、そこでも「indeedの社員はみんな早く帰っている、なぜなら短い労働時間で儲かる仕組みになっているから」と語られたのが非常に印象的でした。スタートアップとして、爆発的な成長を遂げているindeedではありますが、社員の皆さまが笑顔で、楽しそうに働き、さっさと帰るということが実現できているのも、事業戦略そのものが「勝てる戦略」になっているからこそです。

イノベーションは、これまでの働き方に疑問を持つことから始まる

いろいろな方のお話を聞いたり、書籍を読んだりしていて最近感じていることは、労働時間に制約がないことが、イノベーションを妨げているのかもしれないということ。アイ・キューブのコラムでもご紹介したABD( http://www.ai-cube.co.jp/column/4587.html)のテーマ図書として読んだ「生産性」という本にも、制限の大切さが書かれていました。制限(ヒト・モノ・カネ・ジカン等)があるからこそ、新しいやり方を考えるのだと思います。

出展:ABDのコラム

個人的に今年1番(今のところ)のヒット映画「グレイテスト・ショーマン」(http://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/)の最後のシーン。これまでサーカスの会場として使っていた建物が全焼。そんな中でこれからどうやっていこうかと考えているうちに「そうだ!河原にテントを作って、そこでショーをやろう!」というアイデアが生まれ、テント型のサーカスにつながっていったというシーンがありました。これも、制限から生まれたイノベーションだと映画を見ながら感じました。

制限をマイナスに考えるのではなく、イノベーションを起こす機会と捉え、知恵を振り絞っていくことが働き方改革につながっていくかもしれません。