マーケティングの気付き

海外視察 シアトル、ポートランド、サンフランシスコ(シリコンバレー)その2

2018/07/31

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シアトルからポートランドへ。

「ビジネスに、人生に、新たな発見と視点をみつける」をテーマとした、視察ツアーの開始である。

今回のポートランド視察は、以前に弊社代表の広野が視察し、「今後の日本のお手本になる要素が多くある」という実感を得、ぜひクライアント様やアライアンスの皆様と共に、アイ・キューブ独自の視察ツアーを行いたいという思いから始まった。その思いに共感いただいた、広野のリクルート時代の先輩で、現在ポートランドにお住いのMichiko Ono Amsdenさんの協力が得られ、ポートランドの食と酒を世界に発信するビジネスをしながら、ガイドもこなすというRed Gillenさんも加わっていただき実現したのだった。

ポートランドがなぜ注目されているのか?ざっと挙げてみるだけでも話題性に富んだ街である。

●全米住みたい街 第1位

●環境に優しい都市、サティスナブルの実践、リノベーション、高速道路を壊し、自転車通勤率高い

●新しい文化が生まれている地域、新しいトレンドが生まれる場所

●地元愛が強く、コミュニティが発展している

●行政と住民による「共創」が行われ、街づくりとしてもお手本とされている

●クリエイティブな街(世界レベルのプロダクトデザイナーやブランディングディレクターなどが集まっている)

●住む人(特に雇用目的)を求めて大手企業も進出(人が動くことによって、企業が追いかけている)

●スモールビジネスが育つ街

●外食価値のある都市 第1位

●「変わり者である」ことを誇りにしている

●消費税がない

その中でも現地で感じたのは、「ポートランドが好きだから暮らしている」という思いである。サンフランシスコからポートランドに移住してきた男性の言葉を借りて伝えてみたい。

「サンフランシスコはお金を稼げる人が認められる。例えば、低賃金の職に就いている人に対して、その人が好きな仕事をしているにもかかわらず、低賃金だからかわいそうと言われる。でも、ポートランドは違う。お金を稼げるかどうかよりも、自分が好きだと思うことを仕事にしている人を認め合う文化がある。お金よりも、自分が好きでやっているということを大切にしてくれる街だから大好きになったんです。私はサンフランシスコでコンサルタントをしていたが、今はポートランドの大好きなビールとおいしい料理と世界とをつなげる仕事に取り組んでいる。これからもポートランドの良さをいろんな人に伝えていきたい。」

型にはまることなく、「好き」という気持ちを大切にして、楽しくクリエイティブに生きる街ポートランド。まず最初は、そんなポートランドらしいスポットを紹介したい。

毎日のように場所を変えて開催されるファーマーズマーケット。新鮮なオーガニック野菜はもちろん、手作りの蜂蜜やチョコレート、美しい花、美味しいファーストフードなども揃う。作り手自身が自慢の食材を直接生活者に届けている。作り手の顔を見て、会話をして、味わうから、いっそう美味しく感じる。買い手も、「スーパーよりも高価だけど、美味しさとオーガニックの安心感でファーマーズマーケットを常に利用している」という人も多い。

ポートランドと言えば自転車文化。脱車社会という思想で高速道路も壊し、環境に優しい人中心の再開発を行ってきた街だ。街に住む人たちは、そのことも誇りにしている。企業も自転車通勤を推奨するためのイベントなども積極的に行う。街にはそれを象徴するような風景がたくさん見られる。

街中に突然現れる自転車のモニュメント。オフィスビルには至る所に駐輪スペースがある。

乗ってきた自転車ごとオフィスへ。通勤用の自転車もオシャレにディスプレイしてしまう。

家族の移動も積極的に自転車を利用。環境にも優しく健康的だ。

ポートランドで忘れてはならないのがクラフトビールだ。街中に点在するブルワリーパブは、どこも個性豊かだ。ここでも自転車か!と思うような内装で個性化しているのはHopworksだ。

これは利き酒セットならぬ、“利きビールセット”である。15種類のクラフトビールを味わえる。

二階がバーで、一階が醸造所である。できたてのビールが常に飲めるのである。

街中にはブルワリーだけでなく、ワイナリーもある。ここは、アーバンワイナリーで、食事もできる。

レストランの横はワイナリー。ワインの樽が、所狭しと並んでいる。ポートランドの新鮮な野菜を使ったメニューと地元ワインが絶妙に合う。

もう一つ、ポートランドらしさを代表するのがサスティナブル思想だ。「あるものを使う」という徹底した考えでつくられている建物、施設、ショップを紹介しよう。

最初は、McMenamins Kennedy School

ここは、元小学校。その建物をそのまま活かし、ホテルを経営している。中は、本当に懐かしい感じの学校なのだが、反省室やボイラー室がバーになっていたり、行動がシアターになっていたり、給食室がブルワリーになっていたりする。古い小学校を独自の価値に変換してしまっているところにセンスを感じる。

ここは、ボイラー室。配管などもそのままインテリアに利用。趣のある落ち着く空間だ。

ここでもクラフトビールをつくっている。宿泊客は、いつもできたてのクラフトビールを味わえる。

次は、ecotrustというビルだ。写真ではわかりづらいが、もともと建っていたビルの建材を80%再利用して建てられている。ここに入居できるのも、環境に配慮している企業のみだ。徹底した環境志向がうかがえる。

見た目は都会的だが、内部は古いビルの内部をそのまま活かし、新しいものでは出せない高級感と落ち着きを演出している。

以前に建っていたビルの外壁のみを残している。全てを無くしてしまうのではなく、引き継がれていく時間と資源を暗に感じさせている。

Rebuilding Center ここも驚くようなショップだった。「誰が買うんだ?」と思うような壊れた家具や割れたシンクが数え切れないぐらいに並んでいる。

「廃材で暮らしを幸せにする」というコンセプトだ。以前は治安も悪く、働く場もなかったこの地域に、新しいコンセプトを持ち込み、注目させ、就業の場までつくった。そのおかげで治安も改善されたらしい。これこそ真の再開発だ。

ポートランドの魅力はとても一回では伝えられない。今回は街を中心にポートランドらしさを伝えさせていただいたが、次回はポートランドで活躍するスモールビジネスのプレイヤー達を訪問したレポートをお届けしたい。スモールビジネスからSNSを活用して億万長者になった28歳の経営者などから聞いた刺激的な話もお伝えします。乞うご期待。