アイ・キューブイベント

アイ・キューブ 15年の日々を感謝して ~設立記念フォーラム~

2016/12/27

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2001年12月12日、アイ・キューブは会社を登記しました。本格的に事業を行うという、決意を世の中に表明した日。いちに、いちに、と着実に進んでいく日として選んだ、12月12日。出会いや別れ、15年間、成功や失敗の数々を経験しながら、過ごしてきました。こうして15年間やって来られたのは、関わって下さった方々のおかげだとひしひしと感じていたので、なんとかお礼の気持ちを表現したいと、ちょうど15年という日の2016年12月12日、設立記念のフォーラムを開催致しました。当日は、お客様をはじめ、パートナー企業様、元社員など約100名の方が、東京・静岡・広島・さらにはイタリアから、来てくださいました。

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会場も仕事を通じたご縁で

ホテル日航大阪の32階、最上階での、フォーラム開催です。副総支配人をされている、星野 美奈子さんと仕事で知り合い、記念すべき会をここで開くことになりました。フォーラムの運営に、いろいろとお気遣いや助けもいただき、とても心強かったです。

クリスマス前のホテルは華やかに彩られています

クリスマス前のホテルは華やかに彩られています

お祝いのお花も、たくさんいただきました

お祝いのお花も、たくさんいただきました

まず、15周年記念として制作した動画の紹介。アイ・キューブの強みやこれから目指すことを伝えています。

皆様がしーんとなって画面に注目して下さっていたのが、印象的でした。

司会をしていただいたのは、八木早希アナウンサー。私の亡父がとてもファンでした。

そして偶然にもご一緒にお仕事をする機会があり、それからのご縁で、今回もこうして司会を引き受けて下さいました。

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逆境をはね返したマツダのものづくり

基調講演として、広島大学 感性イノベーション推進機構の坂本和夫様より、お話いただきました。坂本様は現在、マツダ株式会社から出向されています。

マツダは最近調子が良くなってきたと言われていますが・・・5年位の周期で財務数値はかなり変動しています。赤字もかなり経験してきました。最近のマツダは何か変わったのでしょうか? という問いかけで始まりました。

坂本先生のご意見としては、最近のマツダは、プロダクトというよりは、モノづくりの考え方、人生、「走る喜び」「動くことへの感動」など、気持ちを重視しているということでした。

実際に動画などもご紹介頂き、ひしひしとその強い思いが伝わってきました。

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1996年、フォードが来て、マーケティングやブランディングを考え直すきっかけとなり、何を重要視するか、何を作るのかを再度考えたというマツダ。

他社には決してない、その強みは何だったのか?

そして、マツダだからできた戦略とは具体的に何だったのか?
その具体的なお話に、皆さんのお顔が、真剣そのものになり、食い入るように画面を見つめながら、必死でメモを取られる方々も・・。

「これまで私どもが作っていたのは、多くは機能的価値でした。そうなると、他社と競争の土俵が同じです。しかしこれからは感性価値が重要です。理想の状態はどこかを目指しながら、競合との位置づけを考え、機能的価値と意味的価値を理解する必要があります。コストをかければ、機能はよくなります。しかしBMWなどの高額製品には機能だけではなく意味的な価値があります。価値の中身に、簡単に定義しにくい暗黙知があるのです。」

「マツダが今目指しているのは、人の本質に基づく、人間中心の設計です。今までは旧モデルをベースに改善していきました。しかし今は、本当に良いクルマとは何かを考え、一から作っています。」とのお言葉に、会場中の皆様が心を動かされたのではないでしょうか。

さらに、産学共同でのご研究のお話もして下さいました。感性工学から、感性脳科学という分野です。

実際に「汗をかいて」プロジェクトを進められておられる実体験からの知見には、学ぶべき点も多く、ここまで披露して頂けたことに、感謝です。

基礎研究を社会実装にどう繋げるのか?

そんな課題に対して、少しずつ見えてきたものは・・・?

お話をお聞きしながら大切なのは、やっぱりコミュニケーションなんだなぁと感じました。

ご講演の最後には、「ユーザーモデルの開発を産総研と一緒にやっていて、ここにアイ・キューブさんのお力を借りているところです。あと6年間プロジェクトは続きますので、今後もよろしくお願いします。」とおっしゃって下さいました。非常に身が引き締まる思いでした。

「大学の教授でいらっしゃると聞いていたので、お堅い話かな、と思っていたけど、大変親しみのあるお話ぶりで、非常に興味深く聞けました。」「全然違う我々の業界にも通じる点が多々あって、ぜひ上司にも部下にも聞いてもらいたい話でした」などなど、会場の皆様からは、多数絶賛のお声が寄せられた、素晴らしいご講演でした。

異なる業界の、共通の課題

次は、パネルディスカッションです。坂本先生のお話にも出てきましたが、「機能的価値」の追求だけでは、すぐにコモディティ化して価格は下がります。企業の情報は信頼されず、クチコミが重視され、消費者自身も、欲しいものがわからない。そんな難しい時代に、業界は違えど、第一線で走っておられる企業の方々のお話をお聞きし、皆様のヒントにして頂こうと企画致しました。具体的には、下記の方々にご登壇をお願いし、「成熟化社会において、新たな価値を生み出すために」と題して、広野がファシリテーターとなって進めました。

<パネラーの皆様>

オムロンヘルスケア株式会社 執行役員 江田憲史氏

株式会社地球快適化インスティテュート フューチャーデザイン室 チーフアナリスト 神山祥子氏

阪急不動産株式会社 お客様部 商品企画担当 統括課長補佐 源田剛史氏

三菱電機株式会社 住環境研究開発センター センター長 平岡利枝氏

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広野:時代は変わり、機能的価値から意味的価値へ、モノから心へと言いますが、皆様それぞれどうとらえていらっしゃいますか?

江田:答えが一つではなく、難しくなったなあと思います。大量生産、マスマーケティングの時代は終わりました。技術はモジュール化され、どこも似たようなものになってしまいます。心を打つものを作らなければと思います。

神山:弊社は、三菱ケミカルホールディングスのグループの中にありますが、親会社の主要事業はB-to-Bで、マーケティングというようなことはあまりやっていませんでした。しかし、数年前からKAITEKIな社会の実現を目指して、人の心に届き環境にも快適な仕組みづくりを検討しています。

源田:我々の部門には、こうあってほしいというお客様の声が多く集まります。ただ、そのままの商品にするのは、ちょっと違うなと。たとえば「収納が足らない」と言っても、その原因はいろいろで、お客様が収納の仕方を知らなかったり、特殊なものを入れるところが見つからなかったり。そのご意見の理由は何か、声の核の部分を見つけなければいけない。 そこを、一緒に見つけようと、アイ・キューブさんに8年間お世話になっています。

平岡:海の向こうの選挙の結果を見ても、みんなが変化を求めています。しかしどう変化すべきか、わかっていません。自分たちの商品は、どういう価値を出せるのか。アイ・キューブさんには、我々の研究所に来てもらって、新聞記事を題材に、研修をしてもらっています。具体的な事例から抽象化して、時代を読み解くのはどうするのだろうと。漠然とCMを見る、新聞を読む、のではなく時代のニーズを理解する必要があります。「切れちゃう冷凍」についても、上位概念をわかった上で、自分たちの商品作りに落としていきました。単にモノを作るだけではなく。「切れちゃう冷凍」を、広野さんと一緒にできたのは、良かったです。もう特許が切れそうだけど(笑)。

広野:人の気持ちがわかる、上位概念まで行き着ける、右脳的な力、そういったものを見つけることができる人を育てるには?源田さんは、コミュニティ運営もされていますが、どうでしょうか。

源田:我々、不動産会社にとってコミュニティ作りは非常に大きな仕事です。その中で重要な点は2つ、「人」と「お金」だと思います。人については、そのコミュニティ活動を企業から住民へ受け渡す際のキーマン。お金というのは、コミュニティがそのまま回っていくためにどのようにお金を作っていくのかです。

たとえば、阪急が中心となって手がけた、大阪の茨木市と箕面市にまたがる「彩都」は、2004年に街開きをし、現在は一万人超の方々が住む街に成長しています。もともと近隣にお住いの農家の方と、新しく来た方が皆で畑作業をするなどの活動を企業として促進してきました。「人」の面では、そういった活動を熱心にやっていかれる方をキーマンとして、少しずつ引き継いでいくような形をとりました。また、「お金」に関しては、「彩都スタイルクラブ」という団体を作り、そこにマンションの管理費が少しずつ入る仕組みを作って、持続的に運営費が回るようにしています。

広野:商品企画チームの活動にも、似ている気がしますね。

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江田:最近、若い人は、戦略とか戦術とか小難しい話になりがちです。「モノづくりのメーカーなので、ものに触ってください。」と言っています。たとえば30代の人が血圧計を開発するなら、まずは使われているシーンに当たってくださいと。ここは心の部分で、現場の調査や、デプスインタビューなどですね。自分ごととしてとらえることができるか?感性の問題もありますし、やれといっただけでできるものでもないのですが。お客様の立場で考えるという、反復練習しかないですね。センスは知識と経験で生まれるもので、日々研鑽です。

神山:みなさんのように日々つくったものが人の手に届くというものではないのですが、この前初めて、健康づくりのプロジェクトに関わりました。そこでアイ・キューブさんに教えてもらったのは、「人に興味を持つこと」「人をよく観ること」でした。所作美というサービスを提供したのですが、地域の方にサービスを試していただいただけではなく、ブースを作ったり、いろいろなプロの方にも協力してもらいました。そのときにも、一緒に「人を観ていくこと」が、気づきや答えにつながることが多かったです。

平岡:自分と相手の価値観が違ったら、なぜかを徹底的に話し合うべきではないでしょうか。持っている情報も、育った環境も、価値観も違いますから、同じことを考える人はいません。だから、まず理解する。コミュニケーションはただ話すだけではなく、分かり合う努力をすること。研究職は、シーズに偏りがちで、自分の研究開発したものを何とか世の中に出したいという気持ちがあります。それが世の中でどう使われるか、何をしたいのかという目的を明確にした上で、ベストな手段を選べれば、みんながハッピーになると思います。そのための感性を、磨かなければいけません。より多くの人とコミュニケーションをとることで、ちょっとした違いや価値観に気がつくのが成長になるでしょう。

広野:非常に重要な示唆を頂けた気がします。では、ちょっと視点を変えましょう。超高齢化社会を迎えるにあたり、グローバル視点でのお話もお伺いしたいのですが。

江田:私は1995年から海外に赴任し、アメリカからヨーロッパ、オランダに行きました。英語も通じないし文化も違います。分かり合えないんだ、という前提で、まずは受け入れるということを学びました。日本は高齢化が進み、世界的にも実験市場になります。 いろいろな人と共生できるかは、これからの課題でしょう。まずは状況を受け入れるのが大切では。分析を当てはめるのではなく、そのまま受け入れましょう。

神山:海外に行くと、必ず超高齢社会の話を聞かれます。日本の医療制度は評価が高いのですが、これから維持できるのか不安です。違う世代がうまくコミュニケーションを取ると、新しい価値が生まれると思います。高齢者は経験と知恵があるし、若い子は元気があります。そういう異世代が共生することで、何かが生まれるかもしれません。

源田:阪急グループ自体は、ドメスティックな企業ですが、最近ではベトナムでの住宅事業なども始めています。例えば東南アジアの多くの国では、家で料理をすることが少ないので、日本のキッチンはオーバースペックです。日本の住まいの品質は評価されますが、そのまま持っていってもダメで、人々の状況を理解し上手にローカライズしなければなりません。

平岡:海外では、空調ひとつとっても仕様も違うし、食生活も何かと違います。しかし日本には日本の良いものがあるので、海外に提案することで、よりお互いが豊かに過ごすことができると思っています。現地に行き、話をし、何が違うのかを理解する必要があります。違うから相手に合わせるだけではなく、日本で培ってきたことを提案して新しい価値が生まれれば良いですね。

広野:貴重なお話を、ありがとうございます。説得するのではなく、相手を理解して受け入れる、それがとても大切なのですね。「受け入れる」は重要なキーワードだと感じました。

人とのつながり、15周年を祝う喜びの時間

「久しぶりに頭を使った~」「IQ高い!」「まだまだ学ぶことは多いと知った」などなどの感想が寄せられた、基調講演&パネルディスカッションでしたが、次は「口」と「耳」を使って頂く時間。ここで乾杯となりました。

乾杯のご発声は、三菱電機ホーム機器株式会社の代表取締役社長でいらっしゃる田代正登様。

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「本日、坂本様のご講演やパネルディスカッションで、他の業界のお話をお聞きし、改めてワクワク感のある新しい価値を世の中に出すということについてのチャレンジをしていくという意を決しました。」とのお言葉に、会場が一体化され、ホテル日航様のご厚意によるシャンパンで楽しい時間が始まりました。

美味しいお食事に舌鼓。日航大阪様のシェフが腕によりをかけて下さったメニューでした。

同じテーブルの方々はもちろん、皆様同士が交流を深められていらっしゃるご様子に、我々も温かい気持ちに。
中には、関東と関西にお住まいで今回のお席が隣だったお二人が、偶然にも、かつて同じ社宅の隣同志だったり、ずっと前からの知り合いだったという方々がいらっしゃったり・・・。
また、創業当時にご一緒にお仕事をさせて頂いたお客様と弊社の元社員の感動的な再会シーンがあったりもしました。

ちゃっかり八木早希アナと一緒に写真を撮られた方もいらっしゃいましたね。

交流が深まったところで、アイ・キューブ15周年アニバーサリーソングを作って下さった、ブラボーしろうさんのミニライブ!クリスマスチックに盛り上げて頂きました。
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関東から来られたお客様からは、「素敵な会場、素敵な方々、加えて、関西らしさがあって良かった」とおっしゃって頂きました。

また、ブラボーしろうさんは、「日本一縁起がいい歌手」ということなのですが、なんと、次の日、参加して下さったお客様から、「私事で恐縮ですが、ブラボー様のお歌のおかげで 今朝さっそくよいことがもたらされました。 間違いなく日本一縁起がよいお方です。」というメッセージを頂き、しろうさん共々、我々も大喜びでした。
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そんな和気あいあいとした中、懐かしい顔、久しぶりの方、最近関わっているプロジェクト。多くの方と語り合い、とても幸せな時間となりました。困難なとき、苦しいときに、支えてくださった多くのお客様やスタッフ達に、ただただ感謝です。

15年前の設立したあの日は、今日の日に、すべてつながっているのだなと感じました。

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最後に皆様にお礼のご挨拶を申し上げたのですが、あまりにも感動してしまって、うまく感謝が伝えられなかったかもしれません。でも、お一人お一人のお顔を拝見しながら、本当に「人のご縁」に恵まれている会社だなと実感致しました。ありがとうございました。

フォーラムの最初に流れたビデオにもあるのですが、16年目からの弊社のステートメントは「Planning Force.この国の企画力を鍛えるために」です。

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15年を節目として、また新たなステージへと邁進してまいります。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。