マーケティングの気付き

中小企業の底力!尼崎でのビジネス発表会

2016/04/20

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2016年3月4日、尼崎信用金庫が主催する「KIISビジネスフォーラム」にて、阪神間でキラリとした技術やサービスを持つ中小企業5社が、20分ずつプレゼンテーションをしました。アイ・キューブの代表、広野郁子も発表をする機会を得ました。

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まず、事業アドバイザーの白川功氏(大阪大学名誉教授・兵庫県立大学特任教授)より、開会のご挨拶です。 「この会は、20年前に大阪商工会議所で始まり、KIISさんが継続してやっています。アメリカのシリコンバレーなどでは、個人が起業したいと思うと、こういう場で発表して投資家や事業会社とのマッチングを目指します。日本ではなかなかそういう個人は出てこないし、投資家も少ない。ある程度事業ができあがってから、ようやくマッチングの機会がある感じですね。私はよくアメリカのベンチャー企業のビジネスプラン発表会に行きますが、プレゼンがうまい人が多いです。今日の登壇者の皆さんも、聴取の興味を自分に寄せてくるよう、話してください。」

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生活者の知恵を活かす“バリューデザインワークショップ”

確かにアイ・キューブも、創業時にビジネスプランの発表をする機会はありませんでした。少し緊張しながら、事業内容について、目指すものについてお話しました。

アイ・キューブは、日本のものづくりを強くするために、支援する企業であること。日本の企業には、多くの基礎技術があるが、市場が望むものを創造する”本当のマーケティング“ができれば、技術の多さが強みになることを伝えました。

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最近手応えを感じているのは、「最高の作り手(企業)」X「最高の買い手(生活者)」と一緒に、デザインシンキングやアイデア発想メソッドなどの手法を使い、共創するワークショップです。

開発者が直接”心の温度“を感じたからこそ、実現したヒット商品の例として、10万円炊飯器があります。炊飯器の平均価格は、2万円を切ります。それだけを見ると、3万円程度で売れるように商品開発することしか考えられません。私達が生活者である主婦の方たちに聞いたところ、確かに10人中8人が、「高い炊飯器は、いらない。」と言いました。しかしある一人の主婦から、「毎日美味しいお米が食べられるなら、10万円は安いものですね。」との声が出たのです。毎日食べるご飯という価値基準により、10万円の炊飯器は妥当な額になりました。

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発表後は、アイ・キューブの提供するサービスの具体的な内容について、いくつか質問をいただきました。ご興味を持っていただき、ありがたい限りです。

ロボットは何のために使う?

今回の登壇企業で特に印象的だったのが、産業用ロボットを製造されている、高丸工業株式会社です。ロボットの製造は日本が世界のトップシェアを持っていますが、導入しているのは大企業が中心で、中小企業の活用は少ないそうです。ロボットを導入しても、製品変更の際使えず、効率が悪いと言われるそう。

しかし、文章や設計図を書くのは手書きの方がパソコンより早いと、言う人が昔はいましたが、今は誰もがワードソフトやCADを使っています。それは、過去の情報がデータとして残るので、加工や改善が効率的だとわかってきたからです。ロボットも、一度組まれた仕様は残り、変更部分だけ加工すれば良いのです。何に使うかを理解し、ソフトウェアを設計変更できれば問題ないのです。中高年の社長に言ってもなかなか理解が進まないので、それならばと将来の使い手を想像するために、高校生などにロボット教育を進めています、とのこと。

「ロボットを開発」ではなく、「ロボットをどう使うのかを、考えて開発」する。それはアイ・キューブが考える、「生活者のための商品開発」と、どこか通じるところがあるコンセプトだと、勝手に(?)共感したのでした。

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その後の交流会では、アイ・キューブの発表に共感して下さった方々が名刺交換に来て下さいました。また、主催のKISS様からも、お褒めの言葉を頂戴しました。工学博士の大学の先生からは、「大学でも、技術はできたがさて何に使う?という事がよくあります。有識者とワークショップもやるのですが、モチベーションがないと成果を生み出すことは難しいです。」と、開発と現場に生じる悩みをお聞きしました。

アイ・キューブの考えは、ものづくり業界であっても大きくずれているものではなく、技術と生活者、現場との乖離が課題となる場は多そうだと思いました。これから、いろいろな専門分野の人が集まり、共創会議などのワークショップをする中で、あらたな価値を生み出すことができるかもしれない、と感じる広野でした。