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兵庫県立男女共同参画センター主催「多様な働き方応援シンポジウム」広野郁子 講演レポートvol.2

2016/01/12

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専業主婦になって得たもの

その後妊娠したのですが、その頃は育児休暇もなく、会社を退職し、専業主婦になりました。専業主婦になると・・・毎日育児に忙しいのですが、退屈でした。時間ができたので、思い切り家事修行をし、レタスクラブで「100人の晩ごはん」に掲載されたり、ママ友との交流に励んだり、消費生活アドバイザーの資格を取得したりしました。資格取得をした同期の仲間と、グローバルアイズというグループを作り勉強会をしました。受講生は300人いましたが、その中から弊社の取締役になった女性もいます。その時は見えていませんでしたが、その時覚えた家事、つながった主婦の友だちが後々、自分の仕事を作っていったのです。

その後、企業と消費者の架け橋をという、消費者アドバイザーの募集を新聞広告で見つけました。

これまでは消費者は守られるものだったが、これからは自ら勉強するものである、だからその情報提供をする人を求めるという内容でした。まさに私のためのもの!と思ったのですが、当時娘がまだ2歳で保育所も確保できておらず、不採用となりました。

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翌年空きが出来て、採用になり急いで保育所を探しました。何とか見つかったのですが、週4日勤務、早番と遅番を2回ずつやるという条件は、保育所に通うことは難しく困りました。しかしもう一度かけあって、何とか遅番は1回だけになりました。早番でも保育園のお迎えの時間に15分間に合わないので、昼休みを15分削ることで対応することにしました。それでも周りの人に迷惑はかけますので、人の嫌がる仕事をしよう、スピードアップをしようと心がけました。例えば倉庫に資料を取りに行くのを率先してやると、倉庫の中身を理解し、周りの人が何を探しているのかをつかむようになりました。結局得をしたのは、自分でした。阪神大震災の時、FAXネットにも関わり、非常勤嘱託という立場でありながら、原稿を作成するようになりました。ちょうどインターネットが入ったところで、データベースを構築する仕事もするようになりました。

しかし夫が静岡に転勤。せっかく仕事も軌道に乗ってきたのに・・・と抵抗しましたが、子どもも小さいので泣く泣くついていきました。

その後、派遣も経験し、三菱電機の嘱託の仕事を得て、冷蔵庫の開発に関わりました。メンバーには立派な男性が多くいらっしゃったのですが、ハンバークの作り方やママ友の会話をご存じなくて・・・消費者の事がわからない、困ったら広野に聞けと、重宝されるようになりました。

「切れちゃう冷凍」は、日経優秀製品・サービス賞や最優秀賞 日経流通新聞賞を受賞しました。今までの冷蔵庫の開発目的は、「冷やして保存する」でしたが、そのモノから目線を消費者目線に変えたのです。

その後、夫がまた関西へ転勤。静岡に残ることも考えましたが、まだ娘も小さく関西へ。嘱託社員なので、退職すると三菱電機との関係は切れてしまいます。しかし、関西で携帯電話の事業があったので、そこで仕事をさせてもらいました。その後、三菱電機とリクルートの上司に、起業したらどうかと言われ、自宅で仕事をスタート。だんだん経理処理などが大変になり、マンションを借り、登記をし・・・と会社になってきました。アナログ的価値をインテグレートするという気持ちで、アイ・キューブと社名を付けました。また、aの字の背がすべり台のような形になっており、降りてきてまた上がって、ぽんという感じです。

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消費者と共に創りだす

今までは消費者の声を形にするという事が言われていましたが、今は「消費者に学ぼう」「消費者と共に創ろう」が流れです。以前は消費者より企業の情報が多かったのですが、今は消費者にもかなりの情報があるので。生活者の知恵を得るために、アイ・ブレインズという在宅勤務のグループを作っています。

会社は、自分みがき休暇、スクールイベント(学校行事)休暇、555(5年働くと5日間の休みを5万円で取れる)休暇などを取り入れ、仕事と家庭をうまく両立できるように心がけています。

リクルートにいた頃、私は自分の事が嫌いでした。でも、当時一緒に働いていた人から最近、「そういう態度が誠実だと思っていたよ。」と言われました。起業した時にある社長から、「あいつは商売が下手だ。金儲けができない。」と言われショックでしたが、一生懸命やっているから、その姿勢を見て、「業者ではなく、パートナーと思っている。「アイ・キューブとご一緒したいから、事を作っている。とまで言われることもあります。

人とのつながりこそが、財産

ある時、百貨店業界の方をお客様に紹介する必要がありました。しかし、当てにしていた人に断られ、大ピンチ。ふと、静岡で派遣社員をし、地域活動をしていた時に知り合った方が百貨店業界にいた事を思い出し、ツテを辿って連絡をすると、「ああ、広野さんにはいつか恩返しをしなくちゃと思っていたよ。」と快諾してくださいました。何をしたかはよく覚えていないのですが・・・今は百貨店業界で重要な地位になられたので、大変助かりました。

そのように、その場その場で一生懸命やっていると、どこかでつながっていくのかなと思うのです。

vol.1はこちら)